看護師さんによる在宅医療におけるエコーを科学する40~末梢神経ブロック持続カテーテル管理の実際
- 賢一 内田
- 10月3日
- 読了時間: 2分

末梢神経ブロックで持続的な鎮痛が必要な場合、カテーテルを神経周囲や筋膜面に留置します。エコーの活用により安全性は向上しましたが、管理にはいくつかの注意点があります。
カテーテル留置と確認
留置部位:神経周囲や筋膜面
長期留置:刺入部を糸で固定することもある
確認方法:エコーでカテーテル全体を描出するのは困難なため、薬液を注入し、
薬液の広がり
周囲組織の動きを確認して先端位置を把握します。
管理の基本
麻酔科回診時に 消毒・留置長の確認・固定テープの貼り替え を行う
入浴やMRI検査時は、フィルターを残して一時的にカテーテルを外すことが可能
入浴時は ラップで刺入部を防水保護 することが推奨されます
注意すべき合併症
1. 局所麻酔薬中毒(LAST: Local Anesthetic Systemic Toxicity)
投与量が多くなるため発症リスクあり
初期症状:舌のしびれ、不穏感
重篤例:けいれん、血圧低下、不整脈、心停止
対応:基本的な心肺蘇生法に加え、脂肪乳剤(イントラリポス®)投与 が有効とされ、手術室やICUで準備されています
2. 感染
刺入部の発赤・腫脹・圧痛 → 感染や血腫を疑い抜去
採血による炎症反応の確認も有用
3. カテーテルのずれ
位置が変わると鎮痛効果が減弱し、患者が頻回に痛みを訴えるようになります
エコーで先端を再確認し、必要であれば入れ替えを行います
まとめ
エコーでの薬液広がり確認 がカテーテル位置判断の基本
感染・ずれ・中毒 への早期対応が安全な管理の鍵
持続的な鎮痛効果を得るには、日常の細やかな観察とケアが重要
末梢神経ブロックは、術後鎮痛や慢性痛管理において強力な手段ですが、持続カテーテルを安全に管理することがチーム医療の大切な役割といえます。




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