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看護師さんによる在宅医療におけるエコーを科学する31~エコーで行う経鼻胃管の評価・判断の手技

  • 執筆者の写真: 賢一 内田
    賢一 内田
  • 9月15日
  • 読了時間: 2分

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通常業務では、経鼻胃管の挿入後、栄養剤の初回投与前にエコーで確認を行います。このとき、エコーに映る経鼻胃管の見え方は大きく分けて3パターンに分類されます。

① 1本の高エコー像(挿入直後)

  • チューブ内が空気で満たされている状態。

  • エコーでは線状の高エコーが1本として描出されます。

  • 横断面では半円形に、縦断面では直線状に観察可能。

② 2本の高エコー像(吸引後)

  • 吸引法で胃内容物を確認すると、チューブ内が液体で満たされます。

  • エコーでは2本の平行する高エコー像として描出。

  • その間に「無エコー(黒く抜ける像)」として液体が映ります。

  • 経腸栄養剤を注入した場合も同様に確認できます。

③ 泡状の不均一エコー(吸引中)

  • 吸引操作によって発生した泡がチューブ内に入ると、不均一なエコー像として描出されます。

  • 描出が不明瞭な場合は、吸引を行い泡状エコーが確認できるかをチェックします。

実際の確認手順

  1. 横断走査:気管・甲状腺をランドマークに頸部食道を描出。

  2. 縦断走査:長軸像で頸部食道を観察。横断より鮮明に描出しやすい。

  3. 吸引操作:不明瞭な場合は内容物を吸引し、2本の高エコー像または泡状エコーを確認。

まとめ

  • 挿入直後 → 1本の高エコー

  • 吸引後 → 2本の高エコー+無エコー

  • 吸引中 → 泡状の不均一エコー

この3つを押さえることで、経鼻胃管の位置確認をエコーで安全に行うことが可能です。「見えにくいときは吸引をしてみる」ことが、現場での大事な工夫になります。

関連動画はこちら → [さくら在宅チャンネル(YouTube)]

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