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看護師さんによる在宅医療におけるエコーを科学する30~エコーでみる頸部食道と食道胃接合部の観察ポイント

  • 執筆者の写真: 賢一 内田
    賢一 内田
  • 9月14日
  • 読了時間: 2分


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経鼻胃管の留置や管理を行う際、エコーを用いて頸部食道や食道胃接合部を確認することができます。ここでは、観察の基礎知識から方法、注意点までを整理しました。

① 頸部食道の観察

使用するプローブ

  • リニア型プローブ:浅い部位の観察に適しています。

  • ランドマーク:気管と甲状腺が目印。

観察方法

  1. プローブを左頸部に当て、横断走査で観察。→ 頸部食道は正中よりやや左を走行しています。

  2. 横断像が確認できたら、プローブの中心を食道に合わせて90°回転。→ 長軸像では、甲状腺の背側を通る直線状の低エコー像が頸部食道です。

注意点

  • プローブを強く押し当てすぎないこと。総頸動脈がつぶれない程度で。

  • 気管切開チューブや経鼻胃管を確認する場合も、咳嗽反射や事故抜去を防ぐためやさしく当てることが重要です。

② 食道胃接合部の観察

使用するプローブ

  • コンベックス型プローブ:深部の観察に適しています。

  • ランドマーク:腹部大動脈、肝臓、胃。

観察方法

  1. 剣状突起下(みぞおち)にプローブを当て、縦断走査。→ 腹部大動脈・肝臓・胃を同定。

  2. プローブを右側へ45°回転し、腹側へ傾ける。→ 高エコーとして描出される胃小弯、その後方に食道胃接合部が見えてきます。

注意点

  • 接触が弱いと画像が不鮮明になるため、しっかり肌に密着させる。

  • プローブを当てる際は、患者さんの羞恥心に十分配慮。

    • 観察部位以外はタオルで覆う

    • 個室やカーテンで仕切れる環境で実施

まとめ

  • 頸部食道はリニア型プローブ、食道胃接合部はコンベックス型プローブで観察。

  • ランドマークを意識すると描出しやすい。

  • 強い圧迫や羞恥心への配慮不足はトラブルの原因になるため注意。

関連動画はこちら → [さくら在宅チャンネル(YouTube)]

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