看護師さんによる在宅医療におけるエコーを科学する28~エコーでの評価・判断の手技
- 賢一 内田
- 9月4日
- 読了時間: 2分

~PICC挿入における静脈選択と穿刺アプローチ~
PICC(末梢挿入型中心静脈カテーテル)の挿入では、適切な静脈の選択・穿刺部位の決定・エコー下穿刺が成功の鍵になります。今回は「エコーでの評価と判断のポイント」をまとめます。
1. 適切な静脈・穿刺部位の選択
血管走行は人それぞれ
上腕の尺側皮静脈はPICCに適した血管とされます。
しかし実際には血管走行には個人差が大きく、「肘から○cm」といった定型的な基準はありません。
穿刺前に必ずエコーで走行を確認し、その人に合ったルートを見極める必要があります。
動脈・神経叢を避ける
上腕の動脈や神経叢は、エコーで「ミッキーマウスサイン(中央が動脈、両脇が静脈)」として観察できます。
誤穿刺を防ぐため、動脈・神経叢から離れた部位を選択しましょう。
2. 理想的な穿刺部位の探し方
肘正中皮静脈と尺側皮静脈の合流点をまず確認する
尺側皮静脈をスキャンで追い、上腕静脈との合流を確認
その末梢側を穿刺ポイントとする
3. エコー下穿刺の実際
高度バリアプレコーション
感染予防のために、滅菌手袋・滅菌ガウン・プローブカバー・滅菌野を準備
中心静脈カテーテルと同様の管理が必要です
リアルタイム法
エコーで血管を描出しながら、その場で針を進める「リアルタイム法」が標準
触診に頼らず、画面を見ながら針をコントロールするため、従来の穿刺とは異なる技術が必要です
針先の確認
短軸像では、針先は高エコースポットとして描出されます
針が血管内に入っていることを画像で確認しつつ、慎重に進めることが重要です
まとめ
PICC挿入では、
血管走行の個人差を前提にエコーでルートを確認する
動脈・神経叢から遠い部位を選ぶ
リアルタイム法で針先を確認しながら穿刺する
これらを徹底することで、安全かつ確実なカテーテル挿入が可能になります。
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