攻めの栄養療法を科学する42~リハビリテーション栄養における栄養剤の考え方と使い分け
- 賢一 内田
- 12 分前
- 読了時間: 3分

2019年9月時点で入手可能な栄養剤の例をもとに、リハビリテーション(リハ)と栄養管理をどのように組み合わせるかを整理します。
① 総合栄養素補給型の栄養剤
― まずは「足りていない栄養」を満たす ―
栄養摂取量が不足している場合、最優先すべきは摂取栄養量の確保です。単にエネルギーだけでなく、
たんぱく質
ビタミン
ミネラル
を包括的に補給できる栄養剤を選択することが重要です。
このタイプの栄養剤は、以下のような状況で特に推奨されます。
低栄養患者
サルコペニア患者
リハの時間や負荷が増加している場合
食事だけで必要量を満たせない場合には、不足分を栄養剤で補うという考え方が基本になります。
② BCAA・ビタミンD強化型栄養剤
― リハ効果を高める「攻めの栄養」 ―
リハの効果を高める目的で、**分岐鎖アミノ酸(BCAA)**の補給が行われます。特に、
BCAA
なかでも ロイシン
は、効率的な筋たんぱく合成を促進することが知られています。
また、ビタミンD欠乏に対しては、👉 1日10~20μgのビタミンD補給により、
身体機能の改善
筋力向上
転倒・骨折リスクの低減
が期待されます。
これらの栄養素が強化された栄養剤は、レジスタンストレーニングなどの訓練時に、筋肉量・筋力を増やす目的で使用されます。
③ 栄養剤の選択方法 ―「続けられる」ことが最重要―
栄養剤を選択する際には、使用目的に応じて以下を総合的に判断します。
栄養剤の形態(液状・ゼリー・粉末など)
主な栄養組成
患者の病態
嗜好
コスト面
🔹 形態への配慮(特に高齢者)
高齢者では嚥下機能低下を認めることも多く、形態選択が重要です。
嚥下障害がある → ゼリータイプ
甘い味が苦手 → フルーツ系・スープ味
少量で効率よく → 高濃度・小容量タイプ
など、**「無理なく継続できるか」**を重視します。
④ 目的別の使い分けまとめ
🔸 低栄養・サルコペニア改善、リハ負荷増加時
➡ 総合栄養補給型栄養剤を選択
エネルギー必要量を算出
食事で不足する分を栄養剤で補充
使用量の目安:1日1~6本(個別調整)
🔸 筋肉量増加を目的とする場合
➡ BCAA強化型栄養剤を選択
レジスタンストレーニング直後に
BCAA 2g以上の摂取が推奨
BCAA強化栄養剤を1日1本以上摂取することで、この条件を満たすことが可能です。
⚠️ ただし、高齢者では「栄養剤を飲んだことで食事量が減る」→ 総たんぱく質摂取量が増えないということも起こり得ます。
そのため、栄養状態・食事摂取量・嗜好を確認しながら選択することが重要です。
まとめ|リハ栄養は「量 × 質 × タイミング」
まずは総合栄養で不足を補う
目的に応じてBCAA・ビタミンDを活用
「飲める」「続けられる」形態選択がカギ
食事量を減らさない工夫が重要
リハと栄養は切り離せません。適切な栄養剤の選択が、リハの成果を大きく左右します。
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