在宅医療を科学する31~在宅・往診で見逃さない!大動脈解離を疑う「3つの即時スクリーニング項目」
- 3 時間前
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在宅診療の現場では、病院のような精密な検査機器がすぐには使えません。しかし、致死的な「大動脈解離」の中には、“見た瞬間”に診断がつく症例がある一方で、病歴と「疑う目」がなければ簡単に見逃してしまう症例も存在します。
今回は、往診現場ですぐに実践できる「即時スクリーニング」の3項目を整理します。
大動脈解離を疑う3項目(在宅・往診用)
1. 突然発症の「裂けるような痛み」
最も重要なのは、痛みの「始まり方」と「移動」です。
発症様式: 突然、何の前触れもなく激痛が走ります。
痛みの部位: 胸背部だけでなく、肩甲間部、頸部、顎、腹部まで痛みが移動することがあります。痛みが「移動した」というエピソードは解離を強く疑わせます。
2. 胸部単純X線での「縦隔陰影の拡大」
ポータブルX線を使用できる場合、以下の指標を確認します。
立位での目安: 縦隔幅が 8 cm を超えている場合。
臥位での代替指標: 臥位では判別が困難なため、気管分岐部レベルで「椎体中央から大動脈陰影左縁までが 5 cm 以上」であれば縦隔拡大陽性と判断します(この距離は臥位・立位で不変です)。
3. 左右上腕の血圧差 ≥ 20 mmHg
身体診察で必ず行いたいのが、両腕での血圧測定です。
左右で 20 mmHg 以上の差がある場合、解離の可能性が高まります。
腕頭動脈や鎖骨下動脈の狭窄でも起こり得ますが、胸背部症状を伴う場合は直ちに画像評価へ繋ぐべきです。
尤度比(LR+)による判断の目安
これらの項目が重なるほど、大動脈解離である確率は飛躍的に高まります。
2項目該当: LR+(陽性尤度比)は約 5.3
3項目該当: LR+ は約 66 となり、極めて高い確率で解離が疑われます
0項目該当: 否定的ですが、臨床的な判断が常に優先されます
まとめ:在宅医療の現場から
大動脈解離は一刻を争う疾患です。現場でこれら3項目を確認し、疑わしい場合は迷わず高度医療機関への搬送、あるいは精密な画像診断(造影CT等)を手配してください。
さくら在宅クリニック




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