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在宅医療を科学する29~在宅診療で「大動脈解離」を見逃さないために。命を救う4つのサインと見抜き方

  • 1 日前
  • 読了時間: 2分

在宅医療の現場では、限られた検査環境で緊急事態を察知しなければなりません。なかでも大動脈解離は、一刻を争う疾患です。今回は、資料に基づき、その決定的な予兆と判断基準を解説します。

1. 症例から学ぶ「疑うべき4つのサイン」

大動脈解離を強く疑い、救急搬送を検討すべき患者さんには、共通の症状が現れることが資料により示されています。

  • 胸を“掴まれる”ような強い痛み: 突然、強烈な痛みが襲います。

  • 冷汗: 激痛に伴い、体力を著しく消耗しているサインです。

  • 咽頭痛(のどの痛み): 胸の痛みだけでなく、喉の奥に痛みを感じる場合があります。

  • 嗄声(させい:声のかすれ): 最も注意すべきサインの一つです。

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2. なぜ「声のかすれ」が危険なのか

資料では、声のかすれ(嗄声)が大動脈解離の重要な診断材料として挙げられています。

大動脈が解離し、血管が膨らんだり出血したりすると、そのすぐ近くを通っている反回神経(声を出すための神経)を圧迫します。これを反回神経麻痺と呼びます。

「風邪によるのどの痛みや声枯れ」と安易に判断せず、激しい胸痛が伴っている場合は、血管の異常を疑わなければなりません。

3. 在宅での画像判断:レントゲンの決定的な所見

訪問診療でレントゲン撮影を行った際、以下の特徴が見られたら緊急事態です。

  • 縦隔(じゅうかく)の拡大: 心臓の付け根付近、大きな血管が集まる「縦隔」と呼ばれる部分が横に広がって見えます。

この縦隔拡大に、上述の症状(胸痛、冷汗、嗄声)が重なれば、大動脈解離の可能性は極めて高く、速やかな搬送判断が求められます。

まとめ:一刻を争う判断を

大動脈解離は、病院へ到着するまでの一分一秒が予後を左右します。「声がかすれていて胸が痛い」という訴えは、在宅医やケアマネジャーにとっての最大級の警戒信号です。

資料にある通り、解離による神経麻痺を見抜き、迅速に高度医療機関へ繋ぐことが、在宅診療における「命を守る」役割そのものです。

さくら在宅クリニック

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