圧迫骨折とは?―高齢者に多い「いつの間にか骨折」
- 賢一 内田
- 7月13日
- 読了時間: 3分

「畑仕事のあと、なんとなく腰が痛い…」「転んだ覚えもないのに、腰がつらい…」そんな時、もしかすると**「圧迫骨折」**かもしれません。
圧迫骨折とは?
背骨(脊椎)が押しつぶされるように変形・骨折することで、特に高齢者や骨粗しょう症のある方に多く見られます。
若い人:高エネルギー外傷(激しい衝撃)で発生
高齢者:ちょっとした動作でも骨折することがある
実際、**70代で約30%、80歳以上では約44%**が経験しているとも報告されています(Yoshimura N. et al.より)。
どんなことで起こるの?
転んで尻もちをついた
バケツ程度の重さのものを持ち上げた
何もしていなくても起こることがある
これが「いつの間にか骨折」と言われる理由です。
どんな症状?
動いたときの腰・背中の痛み
ベッドや布団から起き上がるのが大変
歩くのがつらい、歩くまでがつらい
背中の骨(棘突起)を軽く叩くと痛い(叩打痛)
背中や腰の片側に放散するような痛みも
検査はどうする?
基本はX線(レントゲン)検査
寝た姿勢・立った姿勢の両方を比較
時間をおいて撮り直すこともある
確定診断にはMRI検査
骨の中の変化がより詳しく分かる
経過と治療
痛みは3週間ほどで軽快
3か月程度で自然に治る
3か月以上痛みが続く場合は、がんの骨転移や偽関節の可能性も
入院は原則不要!多くは在宅で治療できます
治療のポイント
1. 安静
最初はベッド上での安静
発症2週目には座位、3週目からは立位・歩行を目標に
2. 薬物療法
痛み止め(アセトアミノフェン、NSAIDs、トラマドールなど)
骨粗しょう症治療も重要
ビスホスホネート、活性型ビタミンD3製剤(エルデカルシトールなど)
SERM、副甲状腺ホルモン製剤、抗RANKL抗体薬(デノスマブ)など圧迫骨折はレントゲンだけでは分からない?
高齢者に多い「骨粗しょう症性脊椎圧迫骨折」は、意外と診断が難しい病気です。X線(レントゲン)だけでは見逃されることも多く、「転んだ」「ぶつけた」などの外傷エピソードや、持続する腰背部痛などの症状から判断されることがほとんどです。
こんな場合は要注意!
以下のような典型的ではない経過があるときは、より詳しい検査(MRIやCTなどの画像検査)を検討します:
安静時にも痛む
3か月以上痛みが続いている
これらは、見逃されがちな骨折や他の疾患のサインかもしれません。
再発防止には骨粗しょう症治療を!
一度骨折を起こした方は、再発のリスクが高くなります。そのため、骨粗しょう症の治療を早めに始めることがとても大切です。(骨密度検査や薬物治療などが検討されます)
自宅でできる「外固定」とは?
急性期の痛みや骨折の進行を防ぐために、「軟性コルセット」を3か月程度装着するのが一般的です。これは背骨の安定をサポートし、痛みを和らげる効果もあります。
まとめ
圧迫骨折はレントゲンだけでは分かりにくい
痛みの持続や非典型的な症状には追加の画像検査を
再発防止には骨粗しょう症治療が重要
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