top of page

レビー小体型認知症の本質:「認知症」よりも大切なこと

  • 執筆者の写真: 賢一 内田
    賢一 内田
  • 5月8日
  • 読了時間: 2分

レビー小体型認知症といえば、「幻視」や「認知症」のイメージが強いかもしれません。しかし実際には、それ以上に命に関わる重要な症状が存在します。それが「自律神経症状」です。

■ レビー小体型認知症の症状分類(重要度順)

レビー小体が脳や末梢神経にたまる場所によって、以下のような多彩な症状を呈します:

  1. 自律神経不全型(迷走神経・交感神経節)★最重要

  2. せん妄型(脳幹網様体)

  3. パーキンソン型(中脳黒質)

  4. 精神病型(扁桃体~辺縁系)

  5. 軽度認知症型(大脳皮質)

このように、認知症という名前がついていながら、認知症のないレビー小体型認知症もあり得るため、近年では「レビー症候群」という呼び方も提唱されています。

■ 命に関わる「自律神経症状」に注目

中でも最も注意すべきなのが、自律神経の障害による起立性低血圧です。

✅ 起立性低血圧の簡易チェック法:

  1. ベッドから立たせて3分以内に血圧を測定

  2. 以下のいずれかに該当すれば陽性:

    • 収縮期血圧が20mmHg以上低下

    • 収縮期血圧が100mmHg以下

起立性低血圧が確認された場合は、降圧薬の中止や、ドロキシドパ(ドプス)の処方が検討されます。

■ 「何度も救急搬送されるのに原因が分からない」はレビーのサイン?

レビー小体型認知症の方の中には、「急に意識を失って救急搬送されたが、検査では異常なし」といったエピソードを繰り返す方がいます。これはまさに**自律神経障害による一過性の循環不全(失神)**であり、見逃してはなりません。

幻視や認知機能にばかり注目されがちなレビー小体型認知症ですが、自律神経症状にも十分な配慮が必要です。

■ 在宅医療で支えるレビー小体型認知症

当院では、レビー小体型認知症の症状全体をとらえ、適切な対応を心がけています。

 
 
 

コメント


© 2021 湘南在宅研究所 All Rights Reserved.

情報通信機器を用いた診療の初診において向精神薬を処方しておりません

bottom of page