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パーキンソン病を科学する15~ドパミン製剤の“届きにくさ”を知っていますか?

  • 執筆者の写真: 賢一 内田
    賢一 内田
  • 6月4日
  • 読了時間: 2分

パーキンソン病治療において欠かせない L-ドパ(ドパミン前駆体)製剤。しかし、実はこの薬、脳に届く効率は驚くほど低いのです。

わずか「1%」しか届かないドパミン

L-ドパは、飲んでから脳に届くまでにいくつもの“関門”を通過しなければなりません。

  • まず、吸収されるのは「空腸(小腸の一部)」のみ。

  • そこから血管内に取り込まれる際、多くのアミノ酸や物質と競合します。

  • さらに、血管から脳へ移行するには、血液脳関門(BBB)という強固なバリアを越えなければなりません。

これらのハードルを考慮すると、脳へ届くのは内服した量のわずか1%前後にすぎないのです。

仮に、COMT阻害薬やカルビドパなどの分解阻害剤を併用しても、**到達率は3〜5%**が限界とされています。

だからこそ“飲み方の工夫”が重要

このようにドパは極めて非効率的な薬剤です。その分、内服のタイミングや空腹時の服用、運動のタイミングなど、ちょっとした工夫が薬効に大きく影響します。

当院ブログでも、ドパミン製剤の効果を最大化するための実践的アドバイスを随時発信しています。

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