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看護師さんによる在宅医療におけるエコーを科学する⑦~エコー検査装置とプローブの基礎知識

  • 執筆者の写真: 賢一 内田
    賢一 内田
  • 7月27日
  • 読了時間: 2分


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エコー検査装置とプローブの基礎知識


図1:エコー検査装置の種類と特徴

エコー(超音波)検査装置は、用途や使用環境に応じて主に以下の3種類に分類されます。

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① 据置型(Sonosite X-Porte)

  • サイズ:大

  • 画質:高画質

  • 機能:多機能(カラードプラなど)

  • 使用場所:検査室などの診断用途に最適

据置型は装置自体が大きいものの、高解像度の画像を得られ、多機能であるため、検査精度が要求される医療現場で主に使用されます。

② ノート型(Sonosite M-Turbo)

  • サイズ:中

  • 画質:中程度

  • 機能:多機能

  • 使用場所:手術室、病棟、救急外来など

ノート型は比較的軽量で持ち運びも容易なため、ベッドサイドや手術中のリアルタイム確認など、多様な場面での活用が可能です。

③ 携帯型(Sonosite iViz)

  • サイズ:小(ポケットサイズ)

  • 画質:中程度

  • 機能:限定的

  • 使用場所:在宅・災害現場など

携帯型は最も小型で軽量。いつでもどこでも即時にエコー検査が行える利点があり、在宅医療や災害現場などのニーズにマッチします。たとえば、在宅高齢者の腹水・胸水の有無排尿障害時の残尿確認など、迅速な対応が求められる現場で威力を発揮します。

図2:プローブの種類と選び方

エコー検査では、観察対象に応じてプローブ(探触子)の種類を使い分けることが重要です。主に以下の3種類があります。

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① コンベックス型(深部観察向き)

  • 観察部位:腹部(膀胱、肝臓などの深層臓器)

  • 周波数:3〜6 MHz

  • 特徴:広い視野で深部まで届く。腹部エコーに最適。

② リニア型(表在観察向き)

  • 観察部位:表層(皮下組織、血管、関節など)

  • 周波数:8〜14 MHz

  • 特徴:高解像度で表層を詳細に描出可能。穿刺や血管評価にも有用。

③ セクタ型(心臓観察向き)

  • 観察部位:心臓

  • 周波数:3〜5 MHz

  • 特徴:肋間から心臓を観察しやすく、心機能評価に特化。

まとめ

  • 装置の選び方は、使用環境(検査室・病棟・在宅・災害現場)と検査目的に応じて、「据置型」「ノート型」「携帯型」から選択します。

  • プローブの使い分けは、観察対象の深さや目的(腹部・血管・心臓)によって「コンベックス型」「リニア型」「セクタ型」を選ぶのが基本です。

エコー装置とプローブの適切な選択は、迅速で的確な診断を支える大切な要素です。場面に応じた使い分けを習得することで、臨床の質は格段に向上します。

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