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在宅医療を科学する54~進行直腸癌の訪問診療導入と緩和的治療の経過

  • 2 時間前
  • 読了時間: 3分


進行直腸癌の訪問診療導入と緩和的治療の経過


多発肝転移・遠隔リンパ節転移を伴う進行直腸癌患者への在宅緩和医療の実践報告

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本症例は、直腸癌に多発肝転移および遠隔リンパ節転移を来した患者に対し、Best Supportive Care(BSC)の方針のもと訪問診療を導入。その後の緩和的加療への移行から終末期に至るまでの経過を報告する。

症例の背景

直腸癌に対して化学療法等の治療を行ったが、多発肝転移・遠隔リンパ節転移が確認され、根治的治療が困難な状況となった。患者・家族との十分な話し合いの結果、Best Supportive Care(BSC)の方針となり、当クリニックより訪問診療を開始した。

診断

直腸癌(多発肝転移・遠隔リンパ節転移)

治療方針

Best Supportive Care(BSC)

主な症状

疼痛、全身倦怠感、悪液質、胸痛

疼痛管理薬剤

ヒドロモルフォン等

担当

さくら在宅クリニック

訪問診療導入から緩和的加療への移行

訪問診療開始後、患者の疼痛および全身倦怠感が次第に増悪し、入院による集中的な緩和的加療が必要と判断された。入院後はヒドロモルフォン等のオピオイド製剤を用いた疼痛コントロールを実施し、症状緩和に努めた。

悪液質への対応

訪問診療再開後、悪液質症状(著明な体重減少・全身衰弱・食欲不振)が顕在化した。これに対し、ステロイド(コルチコステロイド)の投与を開始し、食欲改善および全身状態の安定化を図った。

  • 悪液質に対するステロイド投与は、短期的な食欲・QOL改善効果が期待される

  • 疼痛コントロールはオピオイドによる適切な用量調整が重要

  • 在宅環境での多職種連携(医師・看護師・薬剤師・ケアマネジャー等)が不可欠

胸痛出現とその対応

経過中、同時期に胸痛の訴えが出現した。ニトログリセリン等を使用したが症状の改善が得られなかった。病態の進行に伴う多様な苦痛症状への対応として、引き続き緩和的アプローチの強化と家族への十分な説明・支援を継続した。

⚠️ 本症例における胸痛の原因として、がん性疼痛の関連痛、心血管系合併症、肺転移に伴う胸膜刺激など複数の可能性が考えられる。終末期患者における胸痛は多因子性であることが多く、包括的なアセスメントと対症療法の組み合わせが重要である。

本症例から学ぶこと

進行がん患者において、訪問診療は患者が自宅・住み慣れた環境で過ごすことを可能にする重要な選択肢である。本症例では、BSC方針のもと疼痛コントロール・悪液質管理・症状緩和を在宅で継続することの意義と課題を改めて確認できた。

  • 患者・家族の意思を尊重した療養場所の選択支援

  • 多職種チームによる包括的な症状マネジメント

  • 病状変化への迅速な対応と家族へのグリーフケア

  • 在宅でのオピオイド管理・患者教育の重要性

※ 本記事は医療従事者向けの症例共有を目的としております。患者様の個人情報保護のため、一部情報を加工・匿名化しております。※ 治療方針・薬剤の選択は個々の患者状態および担当医の判断によります。本記事の内容を個別の診療に直接応用する際は、必ず専門医にご相談ください。

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