パーキンソン病を科学する43~パーキンソン病じゃない?「パーキンソン+症候群」という考え方
- 賢一 内田
- 7月10日
- 読了時間: 2分

パーキンソン病に似た症状(ふるえ、動作緩慢、筋固縮、姿勢保持障害)を呈する疾患は複数存在します。これらは総称して「パーキンソニズム」と呼ばれ、そのうちパーキンソン病以外の神経変性疾患によるものを**「パーキンソン+(プラス)症候群」**と分類します。
✅ パーキンソン+症候群の代表疾患(変性疾患)
<img src="attachment:/mnt/data/519d6fd0-e891-4057-be2f-d0058dad41fc.png" alt="パーキンソン+症候群の代表疾患" style="max-width:100%; height:auto;">
1. 進行性核上性麻痺(PSP)
上下方向の眼球運動障害
初期からの転倒
頚部の筋硬直
MRIで中脳被蓋の萎縮や第3脳室の拡大
2. 多系統萎縮症(MSA)
小脳失調や自律神経障害(起立性低血圧、排尿障害)
MRIで橋の十字サインや線条体の異常信号
L-DOPAが効きにくく、突然の病状悪化リスクも
3. 大脳皮質基底核変性症(CBD)
片側の筋固縮・ジストニア・肢節運動失行
左右差のある萎縮や血流低下
認知機能や感覚の異常を伴うことも
🧪 パーキンソニズムを来すが変性疾患でないものもあります
例えば、以下のようなケースでは神経変性疾患ではなく、一時的な要因や他の疾患によるパーキンソニズムが見られることがあります。
抗精神病薬などの副作用による薬剤性パーキンソニズム
脳血管障害後の血管性パーキンソニズム
正常圧水頭症(NPH)による歩行障害と動作緩慢
機能性(心因性)運動障害
このような鑑別には、DATスキャンやMIBG心筋シンチグラフィーが有用です。
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