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在宅医療における認知症について49~【抗精神病薬②】―使用の適応と、減薬・中止の考え方―
認知症のBPSD(行動・心理症状)に対して、 抗精神病薬 を使うかどうかは非常に難しい判断です。効果は確かにありますが、その一方で 死亡率上昇という重大なリスク が伴います。では、どんなときに使うべきなのでしょうか。 ■ 抗精神病薬が「やむを得ない」ケース 多くの国内外のガイドラインでは、 「 非薬物療法で対応しても自傷他害のおそれがある場合 に限って使用する」と明記されています。 つまり、 本当に命や安全を守るためにしか使わない薬 です。 たとえば── 幻視によって「畳に虫がいる」と思い込み、ろうそくで畳を焼こうとする人 「妻が浮気をしている」という妄想から、ゴルフクラブで攻撃しようとする人 このように、 介護者の安全が脅かされる状況 では、副作用リスクを理解した上で「薬を使わないことの危険性」と比較検討する必要があります。 抗精神病薬を使えば危険性は確かに高まりますが、使わなければ 火事や暴力などの重大事故 に発展しかねません。つまり、命を守るための“非常手段”として使用が検討されるのです。 ■ 家族と共有すべき「具体的な数字」...
10月21日読了時間: 4分


在宅医療における認知症について47~【トラゾドン】―認知症の不眠とBPSDにどう向き合うか―
認知症のBPSD(行動・心理症状)の中でも、 睡眠障害 は家族や介護者を最も疲弊させる症状の一つです。「夜間の徘徊や覚醒で同居家族が眠れない」──その対応に悩む現場は少なくありません。 ■ ベンゾジアゼピン系睡眠薬は使ってはいけない これまで睡眠障害に使われてきた ベンゾジアゼピン受容体作動薬 (例:マイスリー、ハルシオンなど)は、認知症患者に対しては 科学的根拠がなく、むしろ害がある ことが分かっています。 その理由は以下の通りです。 認知機能をさらに低下させる せん妄・転倒・骨折のリスクを高める 依存性を生じる したがって、 認知症の人の睡眠障害に使ってはいけない薬 と考えるべきです。 ■ 科学的根拠があるのはトラゾドンだけ 認知症における睡眠障害治療薬の有効性を検証したレビューでは、臨床試験が行われたのは メラトニン・ラメルテオン・トラゾドンの3剤のみ 。 そのうち、 トラゾドンだけがプラセボより有効 であり、かつ 安全性も高い ことが報告されています(被験者30名の小規模試験ですが、重要な結果です)。 ■ トラゾドンの使い方と注意点 トラ
10月19日読了時間: 3分
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