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逗子、葉山、鎌倉、横須賀、横浜市金沢区の在宅医療

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在宅医療における認知症について51~【認知症ケアの基本】
―外出機会が乏しい人にはデイサービスを― 認知症の人にとって、外出や社会的交流の機会は「脳の活性化」と「生活リズムの維持」に直結します。仕事や地域活動がなく、家に閉じこもりがちな場合は、 デイサービスの利用 が最も効果的な非薬物療法です。 ■ デイサービスは“非薬物療法”の中心 英国の NICE(国立医療技術評価機構)認知症ガイドライン では、軽度〜中等度の認知症に対して、 「構造化された集団認知刺激療法(Cognitive Stimulation Therapy:CST)への参加機会を与えるべき」と明記されています。 日本の介護保険制度でいう デイサービス は、まさにこのCSTに相当する取り組みです。 ■ 科学的根拠が示す“デイサービスの効果” 日本で行われた認知症治療薬の臨床試験解析(GAL-JPNシリーズ・メマンチン国内第Ⅲ相試験)では、薬を使っていない プラセボ群の中でも、介護サービスを利用していた人のほうが 、 全般的臨床評価(CIBIC-plus) 認知機能スコア(SIB)でより良い結果を示しました。 つまり、 介護サービス(デイサー
10月23日読了時間: 3分


在宅医療における認知症について50~【認知症ケアの基本的対応】―最初に確認すべき5つの優先順位―
認知症が疑われたとき、すぐに薬や介護サービスを考える前に、まず行うべきことがあります。それは「 診断の確定と除外 」です。 まずは、内科的・脳外科的疾患による可逆的な認知機能低下(例:甲状腺機能低下、慢性硬膜下血腫、感染症など)を除外し、次に「薬剤による認知機能低下」がないか確認し、必要なら 減薬 を行います。 これらを終えたうえで「認知症性疾患である」と判断された場合、次の5つの対応方針を念頭におきましょう。 🧩 認知症対応の5つの優先順位 危険動作はやめてもらう 仕事や社会的活動はできるだけ続けてもらう 外出機会が少ない人にはデイサービスを利用してもらう 家庭では“失敗体験”をさせない 家庭内でできる家事は本人にやってもらう この順番を意識するだけで、日常対応の迷いがぐっと減ります。以下、それぞれのポイントを具体的に見ていきます。 ① 危険動作はやめてもらう ― 安全がすべての出発点 認知症ケアの第一歩は「 安全の確保 」です。本人や家族の希望よりもまず優先すべきは、“事故を防ぐこと”。このステップを乗り越えれば、早すぎる入所を防ぐことにも
10月22日読了時間: 4分


在宅医療における認知症について47~【トラゾドン】―認知症の不眠とBPSDにどう向き合うか―
認知症のBPSD(行動・心理症状)の中でも、 睡眠障害 は家族や介護者を最も疲弊させる症状の一つです。「夜間の徘徊や覚醒で同居家族が眠れない」──その対応に悩む現場は少なくありません。 ■ ベンゾジアゼピン系睡眠薬は使ってはいけない これまで睡眠障害に使われてきた ベンゾジアゼピン受容体作動薬 (例:マイスリー、ハルシオンなど)は、認知症患者に対しては 科学的根拠がなく、むしろ害がある ことが分かっています。 その理由は以下の通りです。 認知機能をさらに低下させる せん妄・転倒・骨折のリスクを高める 依存性を生じる したがって、 認知症の人の睡眠障害に使ってはいけない薬 と考えるべきです。 ■ 科学的根拠があるのはトラゾドンだけ 認知症における睡眠障害治療薬の有効性を検証したレビューでは、臨床試験が行われたのは メラトニン・ラメルテオン・トラゾドンの3剤のみ 。 そのうち、 トラゾドンだけがプラセボより有効 であり、かつ 安全性も高い ことが報告されています(被験者30名の小規模試験ですが、重要な結果です)。 ■ トラゾドンの使い方と注意点 トラ
10月19日読了時間: 3分
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