幻聴と妄想に悩まされていた高齢患者さんが、レキサルティで落ち着いた話
- 賢一 内田
- 2025年6月16日
- 読了時間: 2分

ある患者さんのお話です。
ショートステイで過ごしていたある日、廊下から「やっぱりこいつだ」という男性の声が聞こえたと訴えました。
ご自宅に戻ってからも、天井から声が聞こえるようになり、天井に向かって「面と向かって言え」などと話しかけるようになったそうです。加えて、押し入れを開けたり、家の中を徘徊する行動も見られるようになりました。
当初は、漢方薬の 抑肝散 7.5g 分3(毎食前) と、抗精神病薬の クエチアピン37.5mg/日(朝12.5mg、夕25mg) を処方。また、以前から内服していた サイレース や マイスリー(睡眠導入剤)は中止しました。
しかし、幻聴や妄想は昼夜問わず続き、天井からの「声」をノートに書き留めるようになっていました。
さらに夜間、誰かが家にいるのではと不安になり、同居する娘さんと一緒に外に出て「誰もいない」ことを確認する行動も繰り返されていました。
クエチアピン・抑肝散は効果なく、レキサルティへ切り替え
これらの症状に対し、クエチアピンや抑肝散は十分な効果を示さなかったため、いずれも中止。代わりに レキサルティ(ブレクスピプラゾール)1mg/日 を処方しました。
すると、**内服開始からわずか2〜3日で異常行動が減少し、幻聴や妄想もほとんど消失。**現在は 1.5mg/日で安定した状態が継続しています。
レキサルティとは?
レキサルティ(ブレクスピプラゾール)は、ドパミン受容体部分作動薬で、幻覚や妄想に効果がある一方、強い鎮静作用はありません。高齢の方でも比較的使いやすい薬剤といえるでしょう。
この患者さんのような症状は、**「遅発性パラフレニー」**と呼ばれる病態に該当する可能性があります。これは高齢期に突然発症する幻聴・被害妄想を主体とした精神症状で、時に認知症とは異なる対応が求められます。
在宅医療では、このような精神症状への対応も重要です。薬の選択やタイミングが生活の質に直結します。
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