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在宅医療における認知症について61~ 認知症を「予防する」ために知っておきたいこと
― 特に“薬”が与える影響について ― 認知症の方を支えるご家族、とくに子世代からは、 「自分も認知症になるのでは…」 と心配の声を聞くことが少なくありません。 これまでの数多くの疫学研究から、認知症の発症にはいくつかの“危険因子”があることがわかっています。 ■ 変えられない危険因子 代表的なものは以下の3つです。 加齢 :年齢が上がるほど発症リスクが高まる 遺伝(アポリポタンパクE ε4) :アルツハイマー病の発症リスクを高める 教育年数 :教育期間が長いほど発症しにくい傾向 しかし、これらは「知ったところで避けようがない」因子ばかり。そこで注目されるのが、**“変えられる要素=予防可能な因子”**です。 一般臨床の現場で取り組める予防要因は大きく3つあります。 医薬品(薬の影響) 生活習慣病(高血圧・糖尿病など)の管理 生活習慣(運動・睡眠・栄養など) 本記事では、その中でも特にエビデンスが蓄積している**「薬と認知症リスク」**にフォーカスします。 ■ 1. ベンゾジアゼピン(BZD)系薬と認知症リスク ベンゾジアゼピン受容体作動薬は、不
2 日前読了時間: 4分


在宅医療における認知症について60~認知症の「病状説明」をどう行うか― 告知の限界と、軽症例における慎重な対応 ―
🔹 病状説明の前提:「告知は技術的に不可能」 認知症の診断や病名の説明(病状説明)は、患者本人や家族・介護者との協力関係を築くうえで欠かせないステップです。しかし、まず押さえておくべき 大前提 があります。 それは、 認知症の「確定診断」を技術的に行うことは現状では不可能である ということです。 認知症の確定診断は 病理診断 (脳組織を直接調べる方法)によってのみ可能です。私たちが日常臨床で行っているのは、あくまで 臨床診断 ですが、その診断基準は不完全であり、 病理診断と一致しないケースも少なくない ことが知られています。 つまり、医師の診断は「最善の推定」にすぎず、 “確定告知”は医学的に成立しない のです。 🔹 「軽症だからこそ伝えるべき」は誤り しばしば、「軽度の認知症なら理解力が保たれているから、本人に診断名を伝えるべきだ」と言われます。一見もっともらしい意見ですが、実はこの考え方には大きな誤解があります。 理由はシンプルで、 軽症であればあるほど診断が難しいから です。 軽症例では症状があいまいで変動も多く、専門医でも確定に至らな
4 日前読了時間: 3分
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