イ)泰善先生は内田院長の弟さんですが、医師を志されたきっかけは何ですが?
泰善先生)兄とは年が18離れているので、感覚としては兄と父の中間にいるような存在です。そして『医師は大変なこともあるけど、やりがいと感謝を感じる仕事だぞ』といつも聞かされていて自然と、志すようになりました。
イ)泰善先生のバックグラウンドは、整形外科ですが在宅医療関する強みは何でしょうか?
泰善先生)私達の世代は内科を中心としたローテーションが義務付けられており、全身を診られるようになってから専門科へ進むシステムであり、専門領域に強みのあるオールラウンダーを養成されております。まさに在宅医療医そのものを作る仕組みと感謝しています。また自身の整形外科として強みにより腰痛、膝関節痛、肩関節痛、下肢痛などの運動器の痛みに対して、ただ痛み止めを処方する以上の治療と診断ができると自負しています。腰が痛いと言いながら、じつはその裏に違う病気が隠れていることがしばしばあります。また腰痛などの前述の痛みに対しても神経ブロック、硬膜外ブロック、膝関節注射など痛みを取る治療を在宅で行うと大変喜ばれることを実感しております。
泰善先生) 在宅医療において泰善先生は、どんなことを目指していますか
高齢化社会のいま、医師の役割は少しずつ変化していると感じます。少し思い切った言い方をすれば、高齢者において病気に打ち勝つためだけが役割に限定されないと感じています。生活全般に伴走するコンシェルジュに近い役割を意識することが必要と感じます。高齢者が必要とするのは、医療・時間・場所に拘束されない伴走者ではないでしょうか。医療に関しては、もちろんオールラウンドに解決できる必要があります。また、時間に関してはいつでも相談でき、どんな場所でも訪問してくれる。これらを満たすことにより病を抱える高齢者は安心を感じます。良い在宅医療とは医療×時間×場所に限定されない良き伴走者であり、相談相手であり、解決者と考えます。そしてクリニックのチームに共通する価値として、自分の仕事に、組織に誇りを持って「楽しく」仕事をしてもらうことが、とても重要と思っています。かっこいいこと沢山言いましたが、患者さんの為に泥臭く汗にまみれる時間はまだまだ続くなぁと思う日々です。
イ)在宅医療とは?という問いに簡潔に答えるなら、どんな回答をしますか?
泰善先生)医療に限定されず、患者さんの自分らしさを最期まで実現するために何ができるかを考える人。高齢者医療においては、多くの課題がある中で、その本質を見出し、解決していく心のベクトルを持つ人。これらを医療の原理原則として実践できる人と考えます。ちょっと欲張った理想ですが、これに近づけるよう頑張ります。
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