がん患者さんの嘔気・嘔吐と制吐剤の選択について
- 賢一 内田
- 3月18日
- 読了時間: 2分
がん患者さんはさまざまな理由で嘔気や嘔吐が生じやすくなります。そのため、これらの症状を抑えるために、一般的にプリンペランやノバミンが使用されることが多いです。しかし、どちらもドパミン受容体拮抗薬であり、使用時には注意が必要です。
ドパミン受容体拮抗薬の注意点
プリンペランやノバミンは、ドパミン受容体を遮断することで嘔気を軽減しますが、副作用として錐体外路症状を引き起こす可能性があります。その一つがアカシジアです。
アカシジアとは?
アカシジアは薬剤性パーキンソニズムの一症状であり、以下のような症状がみられます。
落ち着かない
じっとしていられない
イライラする
不安感が増す
緩和医療におけるジプレキサの使用
緩和医療では、制吐剤としてジプレキサの使用も検討されます。ジプレキサは多次元受容体拮抗薬であり、以下の受容体を遮断する作用があります。
セロトニン受容体
ドパミン受容体
ヒスタミン受容体
コリン受容体
ジプレキサもドパミン受容体を遮断するため、アカシジアを引き起こす可能性があります。そのため、使用の際は慎重に検討する必要があります。
ジプレキサの利点と注意点
利点
1日1回の投与で済む(半減期が約33時間と長いため)
**OD錠(ジプレキサザイディス)**があり、服用が容易
注意点
糖尿病の患者さんには使用不可
抗コリン作用があるため、せん妄を引き起こす可能性がある
処方例
ジプレキサザイディス 2.5mg または 5mg 1錠 分1 就寝前
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