高齢者の関節の痛みにPMRという病態があります。
また次回以降にこの病態は詳説させて下さい。
高齢者には
関節の痛みや疲れ、だるさ、気分が優れないなどの症状と遭遇することが多々あります。
そうした症状にてRS3PE症候群という病態があります。
病態概念として
R(予後が良好)、3つのS(リウマチ因子陰性、対称性、滑膜炎)、PE(圧痕浮腫)という特徴があるため、RS3PE症候群と呼ばれるようになった病気です。すなわち、左右対称の手足の腫れが起こりますが、リウマチ因子の反応は陰性です。
症状として
この病気は、ある日突然、関節痛や浮腫が起こります。手や肘、膝、足などの関節に左右対称の痛みや腫れが見られるようになり、筋肉痛や手足のこわばりも起こります。手の甲が腫れ上がってしまい、まるでボクシングのグローブを装着したかのような見た目になることもあります。この他、手指を伸ばすときに痛みが強まることもあります。
診断は
RS3PE症候群の診断基準は統一されていませんが、一定の指針として、下記の診断基準が用いられます。
1:急性発症する左右対称性の四肢末端部の関節炎が見られる
2:新たな頭痛、初めて経験する局所性頭痛、これまでに経験したことのない局所性頭痛が起こる
3:一応の目安として50歳以上の方(但し、最近の研究では若い年代の方にも見られることが分かってきました)
4:リウマトイド因子が陰性
チョット分かりにくいですね、自身ば疼痛の訴え強く、他原因(心不全、腎不全)が除外されているにも関わらず、上肢ないし下肢の腫脹ある場合は、診断治療として少量のステロイド投与にて診断的治療のスタンスです。
予後は良好な疾患ですが
この病気の予後はとても良好です。ステロイド薬がよく効きますので、中等度のステロイドで治療します。但し、服用を止めると再発することがあるので、お薬の量を慎重に調整します。なお、治療後に悪性腫瘍が見つかるケースもあるので、注意が必要です。
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