top of page

褥瘡の感染

褥創が感染しているかどうかは、褥創周囲に感染の4徴候(熱感、発赤、腫脹、疼痛)があるかどうかで判断します。


感染していた場合、大原則として、褥創内に消毒薬(イソジンシュガー、カデックス軟膏、ユーパスタなど)を入れてはいけません!

その理由は・・・

消毒薬には殺菌作用がありますが、組織障害作用もあるからです。

その作用の強さは、

組織障害作用>殺菌作用

なのです。

つまり、消毒薬を使うと菌を殺すよりも、褥創自体を傷めるほうが強くでてしまいます。

ステージ2の褥創をステージ4にしてしまうのが、消毒薬だと考えてください。

褥創を治すのには、創面で細胞培養をしているイメージも持ってもらうと良いです。

細胞培養をしているシャーレに消毒薬を入れてはいけないことは感覚的にわかると思います。

それでは、褥創感染はどのように治療すればよいでしょうか?

デブリドマン、ドレナージ、抗生剤(内服、点滴)の3本柱で治療します。

デブリドマン:壊死組織は正常組織に置き換わることはないので切除します。

ドレナージ:内部に溜まった膿の出口を作ります。膿には抗生剤は届かないからです。

抗生剤(内服、点滴):抗生剤の局所投与ではダメです。血流に乗った抗生剤が細菌をたたきます。

これは、褥創感染に限らず、あらゆる感染症の普遍的な治療原則です。

写真は逗子在住山内明徳様撮影

最新記事

すべて表示

在宅医療において患者さんが不穏・せん妄になったら

せん妄に関して薬物治療は、簡単ですが安易かつ患者さんの為にならない治療です。 脳外科医として働いていた頃に、クモ膜下出血で救命した患者さんがいました。 60歳代の患者さんで比較的若く自分で食事も食べれるし、自排尿なども自立しておりリハビリ病棟でリハビリ行った後に自宅退院となりました。ただ、出血の影響で前頭葉が傷んでおり少し陽性症状(大きな声で叫んだり等)があるのが難点でした。この患者さんは精神科を

© 2021 湘南在宅研究所 All Rights Reserved.

情報通信機器を用いた診療の初診において向精神薬を処方しておりません

bottom of page