画像は、今年5月頃体動困難にて筋層に達する褥瘡を生じた方です。
当クリニック介入まで4カ月様々な治療にて褥瘡が完治せず、当クリニックに相談あり治療開始。
まず当クリニックとして陰圧閉鎖療法(VAC療法)行う方針としました。
4カ月の経過で全く治癒しなかった創部が、約3カ月で完治し、無事当クリニックを卒業となりました。
在宅診療においては、褥瘡もここまで完治しえることは本当に嬉しいことです。
ただ訪問看護士さんのサポートの役割大きく、今回はカムイの森さんの全面的なご協力にて治癒までできたことを感謝申し上げます。
ここでVAC療法とは、創傷治癒を促進させる治療法で日本語では陰圧閉鎖療法といいます。これまで創傷に対して数多くの被覆材が登場してきましたが、創傷において、この50年で一番インパクトのある治療法の一つといえます。
1993年Fleischmannらが創傷に陰圧をかけ管理すると治癒を促進させるという報告をし、
1997年Argentaらが陰圧閉鎖するdevice(装置)を開発し報告しました。
米国では、医療保険制度の追い風もあいまって、爆発的に普及しました。
日本では、OriginalのKCI社の認可が2010年であったため、それまでは各施設で「お手製陰圧閉鎖療法セット」で治療されていました。
私自身は脳外科としてサブスペシャルとして脊椎外科の手術も行っていましたが、時に創部感染を起こした際に、VAC療法を用いており、最初の経験が2010年にて本邦にてVAC療法開始した年から行っておりました。
その劇的な治療効果に驚いのを覚えています。
VAC®療法の利点としては
創傷治癒促進効果が大きいこと、
洗浄、ガーゼ処置のように毎日処置が不要で患者様の負担を軽減すること、(週1~2回の交換)
移動可能で活動制限が少ないこと、
などが挙げられます。
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