top of page

ダイエットより大切なこと~高齢者医療は脱水との戦いです

以前勤務していた病院の看護師さんのお母さんが痩せ薬として飲んでいたのが、利尿剤だったという笑えない話を聞いたことあります。ボクシングなどでも計量前にサウナで脱水となり計量に挑むのは有名な話です。高齢者医療においても脱水との闘いは大変です。最近では夏場はクーラーをつけて熱中症予防が浸透しており、逆に冬場の暖房で脱水も高齢者医療ではよく見受けられます。口腔内乾燥(口腔粘膜や舌乾燥、舌縦皺)は脱水評価として感度は高いのですが、口呼吸でも認められるため、特異度は低いです。 →つまり口腔内が湿潤していれば脱水はないが、口腔内が乾燥していても必ずしも脱水とはいえないということです。 腋窩乾燥は特異度の高い所見のようです。ただ、眼窩乾燥まで及ぶ場合は、かなり稀です。 病院では採血にて脱水評価を容易にできますが、在宅診療では採血は結果報告が翌日なので、その場の判断には使えません。

こうした場合、ポケットエコーで脱水評価が有用です。 具体的には下大静脈(IVC)径を測定します。 IVCは大動脈の横にあり、エコーで簡単に描出できます。 慣れれば30秒くらいで評価できるので、在宅では非常に有用な検査です。

逗子在住山内明徳様撮影

最新記事

すべて表示

在宅医療において患者さんが不穏・せん妄になったら

せん妄に関して薬物治療は、簡単ですが安易かつ患者さんの為にならない治療です。 脳外科医として働いていた頃に、クモ膜下出血で救命した患者さんがいました。 60歳代の患者さんで比較的若く自分で食事も食べれるし、自排尿なども自立しておりリハビリ病棟でリハビリ行った後に自宅退院となりました。ただ、出血の影響で前頭葉が傷んでおり少し陽性症状(大きな声で叫んだり等)があるのが難点でした。この患者さんは精神科を

© 2021 湘南在宅研究所 All Rights Reserved.

情報通信機器を用いた診療の初診において向精神薬を処方しておりません

bottom of page