top of page

高齢者救急の難しさ: 非典型症状への対応 #高齢者 #救急

高齢者救急が難しいのは、高齢者は症状が非典型的であったり、認知症があるとうまく症状を訴えられないなどの点にあります。

例えば、高齢者の肺炎では約1/3で咳や発熱がなかったりします。咳や熱がないからと言って、肺炎は否定できないのです。

今回は、高齢者を介護する際に、どういった点に注意してみていけばよいのかについてあげてみます。

なんとなくいつもと違う。様子がおかしい。

これは軽度の意識障害の可能性があります。高齢者の感染症では、初期に、このような軽度の意識障害が現れることがあります。

急にぼけた。

通常、認知機能は徐々に低下します。しかし、急にぼけたとなると、これは、せん妄の可能性があります。せん妄は通常、急に環境が変わったりした場合や夜間に起こることが多いです。環境の変化もなく、日中に起きたりした場合は、内科疾患(感染症、心血管疾患、低血糖など)が隠れているかもしれません。

急に立てなくなった。歩けなくなった。

老化はゆっくりと進行するので、徐々に歩けなくなるのが普通です。急に歩けなくなる場合は、感染症、心血管疾患などが背景にある可能性があります。

・しきりにあくびをしている。

あくびは脳に酸素が足りていないというサインです。循環がうまくいかなくなってきているのかもしれません。

不安を訴える。多弁になる。

これも脳血流低下のサインかもしれません。

このようなサインにうまく気づくことができれば、悪くならないうちに早めに対応できます。しかし、こういったサインに気づかずに様子をみていると、急変する場合もあります。

こういったサインを見た場合は、まずはバイタルサインをチェックするのが基本です。その中でも、最も重要なのは呼吸数です。呼吸数が20回/分以下ならひとまず安心してよいでしょう。

 

You Tubeにて在宅診療の知識を学んでみませんか?☟より

#高齢者感染症の警告サイン#軽度の意識障害

在宅医療 | さくら在宅クリニック | 逗子市 (shounan-zaitaku.com)さくら在宅クリニックは逗子、葉山、横須賀、鎌倉の皆さんの健康と安心に寄与して参ります

 


最新記事

すべて表示

認知症のBPSDに対する薬物療法の実践~認知症の行動・心理症状に対する薬物療法

施設入居時などに、環境が変わったことが契機となり、認知症の行動・心理症状(BPSD)がひどくなり、昼夜問わず暴れて手がつけられなくなる方がいます。当院では、施設の窓から飛び出してしまった方、介護者の首を絞めた方、ドアを蹴ったり椅子を投げたりした方を経験しています。...

抗血小板剤の効果と副作用を徹底解説!プレタール®の魅力とは? #プレタール #薬剤

プレタールという薬は本邦から開発された抗血小板剤であり、この薬の第三相試験(その薬が本当に効果あるか、悪いことが起きないか実際の臨床で使用する試験です)において私もデータ処理などで関わった経験あり思い入れある薬です。その効果は、シロスタゾール(プレタール®)は抗血小板薬で、...

Comments


bottom of page