現在の日本における「人生の最期」の迎える場所として、実際には病院で臨終を迎える事例が80%、自宅で迎えるケースは12~3%という割合です。
信頼できる統計では1951年は在宅死が82.5%、病院死が17.5%です。
もちろん、現在の死因として癌などの疾患が増え集学的医療の延長戦上に死があり、単純な比較はできません。
ただ、私自身、人生の最期までが現代の効率化にて病院での最期が増えたとも考えています。
例えば、癌の治療方法として化学療法、手術、放射線等を組み合わせますが、根治するケースは外科・内科双方からのアプローチがすべてうまくいった場合のみです。
手術も化学療法も、患者が年をとるにつれて体力の限界に差し掛かり、治療上の限界を迎えます。こうした場合、治療の後をどうするか、急性期の医療ばかりが議論され、最後のときをどうするかは、議論があまり行われず、家族の負担、患者の不安、在宅医療を支える医療機関の不足などから、これらは空中戦の様相です。
それ以前に、そもそも最期を迎える場所の選択肢として在宅医療というものがあると一般に認知されていないという問題があります。
何より脳外科医として治療ばかりを考えていた私自身がそうでした。またもう一つの要因として、日本人は病院が好きな民族だと感じています、思い切った表現をすれば、病院信仰の熱心な信者と感じます。
日本は、OECD加盟国の中で人口当たり病床数、1入院あたりの病院滞在数ともトップであり、「病院が大好きな民族」です。
ただし、これからの日本の現実として人口減少していきます。現在一年間で亡くなる人は約120万人ですが、20年後には160万人になると言われています。
そして、そのうち3分の1は一人暮らしの方ですあり、高齢者が高齢者を介護する、認知症の方が認知症の方を看病する中で亡くなっていくという状況も予想されています。
結果として、40万人が看取り難民となる可能性があります。こうした状況を在宅医療を社会インフラとして構築することが緊喫の課題と考えます。
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逗子在住 山内明徳様 撮影
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