誤嚥性肺炎を科学する60~姿勢を整えることは,誤嚥リスクを下げるための最も基本的かつ重要なアプローチです。 左右のバランス・接地・腹圧・胸郭・首の角度—5つのポイントを押さえましょう。
- 3月26日
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嚥下ケアブログ|食事介助技術シリーズ
第9章食事介助
第9章|誤嚥リスクを最小限にする食事介助技術
食べる姿勢
姿勢を整えることは,誤嚥リスクを下げるための最も基本的かつ重要なアプローチです。 左右のバランス・接地・腹圧・胸郭・首の角度—5つのポイントを押さえましょう。
🪑 車いす・ベッド対応🫁 誤嚥予防🧠 姿勢調整の根拠
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左右のバランスを整える
両足裏を接地させる
腹圧上昇を避ける
胸郭を広げる
首の角度(顎をひく)
口から食べる場面で,適切な姿勢をとる必要があることは私たち自ら体験しています。 横になって食物を食べたり,上を向いて水を飲んだりすると食べにくくむせやすいものです。 本項では,姿勢調整に介助を必要とする方が食事場面でどのような姿勢をとるのが最も理想的かを解説します。
① 左右のバランス
体の正中軸が左右どちらかに倒れていませんか?
⚖️
座面に接している骨盤の角度を再調整(座り直し)して体幹の左右バランスを整えることで, 不必要な筋緊張を和らげることができます。麻痺がある場合は触覚も低下しているかもしれません。 クッションなどを用いて体幹バランスをこまめに調整するべきです。
② 接地(両足裏を床に)
両足の裏は床に接地していますか?
🦶
足底からの触覚・圧覚は体幹バランスの微調整にとても重要です。 車いすに座って食べる方で,床に足が届かない場合は,車いすに備え付けの足乗せパネルではなく, しっかりと安定した足台を用いることをお勧めします。
🛏️
ベッド上で摂食する場合でも足底の接地は同様に重要です。 足底が接地していると疑似体験できるように,キック用クッションなどを用いて対応するとよいでしょう。
③ 腹圧上昇を避ける
ベッド上で摂食する場合に気をつけないといけません。膝が上がっていませんか?
⚠️
腹圧が上がるような姿勢だと胃内容物が逆流しやすくなりますし, 胃の拡張を妨げますので十分な量を摂食できないかもしれません。 リクライニング機能付き車いすに座っている場合も要注意です。 ティルト(座面ごと後傾する機能)の状態ではありませんか?
④ 胸郭を広く,自由に
脇を完全に閉じて肘を肩幅の内側に入れた姿勢で健常者が摂食することは決してありません。 この姿勢だと誤嚥リスクを最小限にできないからです。
🫁
脇を軽く開き,肘を食卓の高さで持ち上げると,私たちが普段食べている姿勢に近づきます。 この姿勢は肩甲骨が外側に開き,胸郭の運動が自由になります。
💨
胸郭が広がることで,呼吸をしやすい・咳払いをしやすい・誤嚥したときに十分な強さのむせを起こすことができるといった姿勢になります。
⑤ 首の角度(顎をひく)
首の上下の向きは,咽頭と気道の位置関係にかかわってきます。
⚠️
顎が上がった首の向きは,咽頭から気道(喉頭)にモノがスムーズに出入りしやすくなるため誤嚥しやすく,食べる姿勢には不向きです。
🙆
軽く顎をひく姿勢をとるようにしましょう。 健常者が普段どのような首の角度で食事をしているか,振り返ってみて確認するとよいでしょう。
✅ 食事前チェックリスト — 5つのポイント
✓
体幹の左右バランスは整っているか
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両足裏が床(足台)に接地しているか
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膝が上がって腹圧が高くなっていないか
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脇を開いて胸郭が広がっているか
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顎をひいて首の角度は適切か
✓
ティルト・リクライニング位の確認
📌 場面別の注意ポイント
🪑 車いすの場合(図9-5)
足乗せパネルではなく安定した足台を使用。骨盤を立てて体幹を整え,テーブルの高さに合わせて肘を置き,胸郭を広げる姿勢を意識します。
🛏️ ベッド上の場合(図9-6)
膝下クッションで腹圧が上がらないよう注意。キック用クッションで足底接地を疑似体験させ,頭部を適切に起こして顎をひく角度を確保します。
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