誤嚥性肺炎を科学する37~脱水は、誤嚥性肺炎を悪化させる
- 3月4日
- 読了時間: 2分

― 水分管理は、在宅医療の要です ―
在宅医療で見落とされがちな問題。
それが「脱水」 です。
脱水は単なる“水分不足”ではありません。
✔ 感染症を引き起こす✔ 感染症を悪化させる✔ 死亡リスクを高める
重要な危険因子です。
■ なぜ高齢者は脱水になりやすいのか
高齢者では、
・体内の水分保持量が少ない・喉の渇きを感じにくい・自発的に飲水しない・嚥下障害がある
といった要因が重なります。
特に摂食嚥下障害がある方は、
「自分で十分な水分を摂れない」
という前提で考える必要があります。
■ 脱水と誤嚥性肺炎の関係
脱水が起こると、
✔ 唾液量が減る✔ 唾液の性状が変化する✔ 口腔乾燥が進む
その結果、
✔ 口腔内の細菌環境が悪化✔ 唾液嚥下時の誤嚥リスク上昇
につながります。
つまり、
脱水は誤嚥性肺炎の土壌を作る のです。
■ 誤嚥性肺炎治療中こそ水分管理が重要
誤嚥性肺炎の治療中は点滴が行われることもあります。
しかし、
点滴=循環血液量が十分
とは限りません。
維持液(3号液など)は体液バランスに従って血管外や細胞内へ分布します。
重要なのは、
✔ 尿量✔ 不感蒸泄量(発熱・口呼吸で増加)✔ 皮膚の乾燥✔ 口腔乾燥
の評価です。
発熱時は通常より100〜500mL多く水分が必要 になることもあります。
■ 脱水のサインを見逃さない
在宅で確認すべきポイントは、
✔ 口の中が乾いている✔ 唇が乾燥している✔ 尿量が減っている✔ 尿が濃い✔ 皮膚のツゴール(張り)が低下
これらは脱水の重要なサイン です。
■ 水分管理の工夫(在宅でできること)
✔ とろみ付き飲水の活用✔ ゼリー状水分✔ 少量頻回摂取✔ 食事以外の水分タイムを設ける✔ 口腔保湿の徹底
嚥下障害がある方ほど、計画的な水分提供が必要です。
■ 栄養管理の3本柱
これまでお伝えしてきた、
① 離床② 日中の起床③ 水分管理
この3つは互いに密接に関係しています。
動かない → 飲まない → 脱水 → 感染 → さらに動けない
この悪循環を止めるのが、在宅医療の役割です。
■ まとめ
脱水は、
・感染症のリスク・誤嚥性肺炎のリスク・死亡リスク
を高めます。
だからこそ、
水分管理は“栄養管理の中心”であり、治療の一部です。
「今日はどれくらい飲めていますか?」
その一言が、命を守ります。




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