認知症は治せるか~認知症治療の羅針盤57~代謝性脳症— NASHによる肝硬変・肝性脳症の1例 —
- 6月23日
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症例の概要
患者背景
80歳代・男性。整形外科疾患で70歳代後半から車椅子生活。うっ血性心不全で利尿薬を内服中。糖尿病・高血圧症・睡眠時無呼吸症候群など多数の基礎疾患あり。飲酒歴なし。
主な経過
3カ月前から便秘。2カ月前に一過性の箸を落とすエピソード。その後、変動する意識状態、独語増加、つじつまの合わない言動、日中傾眠が出現し入院。
初診時所見
JCS Ⅰ-2〜Ⅱ-10・傾眠傾向。両上肢にアステリクシスを認める。MMSE 15/30点(日時−4, 場所−2, 計算−5 ほか)。
診断のポイントと検査
亜急性の認知機能低下には せん妄・てんかん・プリオン病・炎症性疾患・血管障害・代謝性脳症 などを幅広く鑑別。頭部MRI・脳波に加え、電解質・肝腎機能・ビタミンB₁・葉酸・甲状腺・梅毒・HIVのスクリーニングが重要。
本症例では アンモニア 78 µg/dL(軽度高値)、肝線維化マーカー(ヒアルロン酸 143 ng/mL高値)、腹部CTで肝形態変形・軽度肝肥大・食道静脈瘤を疑う血管拡張が確認された。過去の検査を遡ると4年前から肝機能障害・血小板低下が存在していた。
診断:NASHによる肝硬変・肝性脳症(HE)





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