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認知症の妙薬2

前回運動による認知症予防効果について触れたのですが、逆の研究結果がBMJ. 2017 Jun 22;357に掲載されています。

内容は認知症を発症した患者とそれ以外の参加者の間で、追跡期間中の1週間あたりの総運動時間、低強度の運動をした時間、中~高強度の運動をした時間を比較すると、診断の9年前から認知症患者の運動時間は減少し始め、認知症と診断されなかった人々との差は、それ以降有意になった。診断の9年前の、両群の中~高強度の運動時間の差は-0.39時間/週(P=0.05)で、診断時点ではその差は-1.03時間/週(P=0.005)に拡大していた。これらの結果から著者らは、望ましい運動量を行っている人でも認知機能を保護する効果はなかった。認知症患者では症状が明らかになる前から運動量が低下しているため、運動に認知症リスクを減らす効果があるように見えたことが示唆されたと結論している。

運動したから認知症予防されたのでなく、認知症となり活動性の低下が生じたことにより運動と認知症の相関関係があるように見えたという論です。

しかし、運動の効用を個人的には信じたいとことです。

写真は逗子在住山内明徳様撮影

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