認知症について家族へ向けて8~「お風呂が嫌い」「味がしない」—認知症が引き起こす感覚の変化を知っていますか?
- 4月13日
- 読了時間: 4分
「お風呂が嫌い」「味がしない」—認知症が引き起こす感
「お風呂に入ってくれない」「食事の味付けが毎回濃すぎる」「夏なのに震えている」——介護をされているご家族から、こうした声をよく聞きます。これらは意固地や気まぐれではなく、認知症による感覚機能の障害が原因であることが少なくありません。今回は、在宅医療の観点から「感覚の変化」について詳しくお伝えします。

お風呂を嫌がる本当の理由
認知症のある方がお風呂を嫌がる背景には、「介護への抵抗」だけでなく、様々な感覚障害が関係しています。お湯の温度感覚がうまく働かず熱すぎる・冷たすぎると感じたり、お湯がヌルヌルに感じられたりする体性感覚のトラブルがその一つです。
患者さんの声

いつも通り39度に設定してお風呂に入ったのですが、なんだかいつもと違う触感……お湯がどうもヌルヌルします。入浴剤は入れていないのに、何かが身体にまとわりつくようで、とても気持ちが悪いのです。お風呂は大好きだったのですが、こんなことが続いてからは入ることが少し億劫になりました。
心身機能障害 18体性感覚が鈍感になる

お風呂の温度がわからない・お湯がヌルヌルに感じる
お風呂に入ると熱く感じたり冷たく感じたり、温度の感じ方が違う。お湯がヌルヌルに感じられ不快になることも。
水分補給のタイミングがわからない
喉が渇いたという感覚がなく、夏場や運動中に水分補給を忘れて熱中症になってしまうことがある。
トイレが間に合わない
尿意をあまり感じず、急に我慢できないほどの尿意が押し寄せる。自分がいつトイレに行ったか記憶がない。
体温調節がうまくできない
みんなが「暑い」と言っているのに一人で寒さに震えていたり、反対に真冬でも汗をかいていたりする。
味がしない・匂いがわからない
「料理の味付けが毎回濃くなってきた」「腐った食材に気づかない」——こうした変化も、認知症による味覚・嗅覚の障害が原因のことがあります。舌や鼻から得た情報が脳へ正しく伝わらなくなり、味や匂いに鈍感になったり、反対に過敏になったりします。
患者さんの声

休日の朝に楽しんでいたドリップコーヒーの香りが、今ではまったく感じられなくなりました。トーストも、黒焦げになっていても匂いがしないので、煙が視界に入るまで気がつきません。煮物の味見をしても「まだ味が染みていない」と思ってしまい、つい煮すぎたり調味料を入れすぎたりして味つけが変になってしまいます。
心身機能障害 19味覚や嗅覚が鈍感になる・感じなくなる

味付けがわからず、薄味・濃味になる
味を感じないため料理の味付けがうまくできず、家族に「薄い」と言われたり、逆に調味料をかけすぎることも。
食べ物の匂いがしない
淹れたてのコーヒーが目の前にあっても匂いを感じられない。賞味期限切れのものや腐った食材の匂いも感じない。
心身機能障害 20

体温や汗の調節ができなくなる
冷暖房が効きすぎているように感じ、具合が悪くなる
冷房がものすごく効いているように感じられ、寒くてたまらない。反対に、適温の場所でもものすごく暑く感じて汗をかくことがあり、外出時に困る。
在宅介護でできる工夫

ご家族・介護者の方へ
お風呂:「嫌がる」のは感覚の問題かもしれません。温度・入浴剤・タイミングを変えてみましょう。シャワーに切り替えるだけで負担が減ることもあります。
水分補給:「喉が渇いていないから大丈夫」は危険です。時間を決めて声かけし、こまめに促しましょう。
食事:味見を一緒に行う習慣をつけると安心です。視覚・食感など他の感覚を活用した味付けの工夫も効果的です。
体温調節:脱ぎ着しやすい服を選び、室温の変化に周囲が気を配ることで、本人の負担が大幅に減ります。
トイレ:定時誘導(時間ごとにトイレへ促す)が有効です。トイレの場所を示す目印も助けになります。
重要なのは、これらの困りごとは本人の意地や怠けではないという理解です。感覚の変化は本人自身も「なんかおかしい」と感じながら、うまく周りに伝えられないことが多いのです。在宅医療では、こうした症状を丁寧に把握し、ご本人とご家族双方を支えます。
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さくら在宅クリニック
逗子市・葉山町・横須賀市 対応
さくら在宅クリニックは、神奈川県逗子市を中心に訪問診療を行っています。「お風呂を嫌がる」「食事の様子が変わった」「トイレの失敗が増えた」など、日常の小さな変化もご相談ください。認知症の感覚障害を含め、専門的な視点でご自宅でのケアをサポートします。
所在地神奈川県逗子市対応エリア逗子市・葉山町・横須賀市周辺診療内容訪問診療・往診・認知症ケア・看取りご相談お気軽にお問い合わせください




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