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褥瘡(じょくそう)治療の本質とは?

  • 執筆者の写真: 賢一 内田
    賢一 内田
  • 4月16日
  • 読了時間: 2分

「褥瘡の治療」と聞くと、多くの方は「軟膏を変えてみる」「創傷被覆材(そうしょうひふくざい)を変えてみる」といった対応をイメージするかもしれません。

しかし、本質はそこではありません。

褥瘡をしっかりと治すためには、

  • なぜ褥瘡ができるのか

  • 傷が治るとはどういうことなのかといった理論的な背景を理解しておく必要があります。

傷には「湿潤療法」が適している

まず、褥瘡に限らず**傷の治療には「湿潤療法」**が基本となります。

湿潤療法とは、傷を乾燥させず湿った環境(湿潤環境)を保って治す方法のこと。かさぶたを無理に作らず、体の持つ治癒力を引き出す治療法です。

褥瘡も「傷」である以上、湿潤療法は有効です。ですが、褥瘡には外傷とは決定的に異なる点があります。

褥瘡が難治性である理由

それは、褥瘡では「傷を作る原因」が治療中も持続してしまうという点です。

どういうことかというと——褥瘡は「体の同じ場所に繰り返しかかる圧力(圧迫)」や「ずれる力(ずり応力)」などの外力が常にかかり続けているのです。

例えるなら、切り傷ができたところにずっと力をかけ続けていたら、治るものも治りませんよね。それと同じです。

ですから、「湿潤環境にしておけば褥瘡は自然と治る」という単純な話ではないのです。

浸出液にも注意が必要

さらに、褥瘡にはつねに「浸出液(しんしゅつえき)」が出るという問題があります。

この浸出液には傷を治すための成分が含まれており、治癒過程には欠かせません。しかし、密閉しすぎると逆に悪化することも

  • 浸出液が溜まって感染を引き起こしたり

  • 周囲の正常な皮膚がただれたり

  • 強い臭いの原因になったり

こうしたトラブルが起こるのです。

解決のカギは「体圧管理」と「開放性ウエットドレッシング療法」

このような褥瘡特有の2大問題に対応するには、

  • 体圧管理(ポジショニングなど)

  • 開放性ウエットドレッシング療法

という2つの視点が欠かせません。

単に軟膏を塗るだけではない、包括的なケアこそが褥瘡治療の鍵なのです。

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