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神経障害性疼痛疼痛を科学する9~神経障害性疼痛の薬物療法第一〜第三選択薬と安全な処方の進め方

  • 5月13日
  • 読了時間: 3分


神経障害性疼痛の薬物療法は、臨床上のエビデンスが確立された基本的な治療法です。 IASP・EFNS(欧州神経学会)・CPS(カナダ疼痛学会)から発表されたガイドラインは 比較的よく似ており、世界中で汎用される標準的な指針です。 在宅医療・プライマリーケアでも薬物療法を中心として治療を進めることが患者利益につながります。

薬剤選択の指標:NNT(Number Needed to Treat)とは

薬物療法の有効性の度合いはNNT(何人の患者を治療すれば1人の患者で50%以上の疼痛軽減が得られるか) によって定量化されます。 NNTが低いほど有効性が高い薬剤です。ただし、NNTはあくまで単剤に対する効果の指標であり、 実際の日常診療では個々の患者の病態を考慮した薬物選択が重要です。

 薬物療法のアルゴリズム
 薬物療法のアルゴリズム
 各薬剤の特徴
 各薬剤の特徴
薬物療法の基本原則
薬物療法の基本原則

少量から開始・適定増量

神経障害性疼痛に用いられる薬剤のほとんどは中枢神経系の抑制効果をもつため、 少量から開始し漸増していくことが基本です。 特に高齢者では通常より少量から開始し、適定期間を長くすることで 転倒などの危険を回避します。

適性評価

多剤併用の考え方
多剤併用の考え方

神経障害性疼痛の病態の多くは複合的な要素からなるため、 鎮痛作用の異なる薬剤を併用することで鎮痛効果が増強し、 さらに副作用を軽減することが可能になります(グレードC)。 一種類の薬剤で効果が部分的に有効である場合は 適定増量しながら至適投与量を決定し、続いて次の選択肢を追加します。

 重要な薬物相互作用

神経障害性疼痛に対する薬物療法を開始する際には、 患者が投与を受けている薬剤全般を確認し、 相互作用のない薬剤を選択することが必須です。

薬剤

相互作用の内容

カルバマゼピン

多剤併用(特に抗てんかん薬)でまれに再生不良性貧血・無顆粒球症。トラマドール血中濃度↓

三環系抗うつ薬

モルヒネのグルクロン酸抱合抑制→モルヒネ血中濃度↑。トラマドール血中濃度↑(けいれん閾値低下)

トラマドール

てんかん患者でけいれん閾値を低下。三環系+トラマドール+SNRIでけいれん危険↑

CYP2D6阻害物質


(シメチジン・パロキセチン・フェノチアジン類・キニジン)

トラマドール血中濃度↑。コデイン効果↓

CYP2D6基質


(タモキシフェン・三環系抗うつ薬)

競合的代謝によりトラマドール血中濃度↑。オキシコドン血中濃度↑

エリスロマイシン

オピオイド効果↑

リファンピシン

オピオイド効果↓

在宅医療・プライマリーケアでの実践ポイント


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