神経障害性疼痛疼痛を科学する2~神経障害性疼痛の分類— 原因・部位・発生機序・診断的分類の整理 —
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原因疾患別分類
. IASPによる症候群別分類
神経障害性疼痛の研究・アルゴリズム設定において中心的役割を担うIASPは、2005年に「Core Curriculum for Professional Education in Pain, 3rd Edition」として、神経障害性疼痛を症候群別に分類し、疾患別・原因別に整理した体系を発表しています。

臨床的により簡便な分類として、①神経障害(化学療法後・放射線療法後・HIV・糖尿病性・アルコール性・虚血性)、②末梢神経損傷(外傷・手術)、③四肢切断(幻肢痛・断端痛)、④神経根症(変形性頸部・腰椎症・椎間板ヘルニア・脊柱管狭窄症・すべり症)という4グループに整理されることもあります。
神経損傷部位による分類
神経障害性疼痛の発症には末梢神経・中枢神経の関与が必然であることから、古典的に神経損傷部位により「末梢神経性」と「中枢神経性」に分類されてきました。さらに中枢神経を脊髄レベルと脳実質に分けて考えるとより理解しやすく、また原因(疾患)別分類を付加したものが現在最も一般的な体系となっています。





Woolらは1998年、「発生機序による痛みの分類」という概念を提唱しました。「究極的には、どんな痛みの分類法も臨床実施診療と研究における有用性に鑑みて決定されなければならない」とし、「最も有力な痛みの分類法は発生機序、疾患、病因によって構成されたものなのかもしれない」と述べています。
Jensenらもこれを受けて研究を進めており、現在のところ①症状、②症状と徴候、③症状と徴候と発生機序、④症状と徴候と発生機序と薬理学的解析、という4段階の階層的アプローチが検討されています。今後の基礎研究や治療薬剤の効果検討から、この分類が一般化される可能性があります。

2007年、TreedeらIASPの神経障害性疼痛研究特別班は、神経障害性疼痛の新定義として「体性感覚系に影響を与える損傷や疾患の直接的結果として生じている疼痛(Pain arising as a direct consequence of a lesion or disease affecting the somatosensory system)」を提案しました。
同時に、臨床診断目的のためにグレード(等級)分類が提唱されています。神経障害性疼痛を「確実な(definite)」「蓋然性のある(probable)」「可能性のある(possible)」の三種類に分類してグレード分けするものです。
国際的グレード分類(Rasmussenら, 2004年)


国内向けには、より柔軟性を持たせた基準が提案されています。「確実な(definite)」「可能性が高い(highly possible)」「可能性が薄い(unlikely)」の3段階に分類し、それぞれ神経解剖学的部位への局在・知覚低下・アロディニア・病因・放散痛などを診断基準として組み合わせます。







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