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看護師さんによる在宅医療におけるエコーを科学する34~シャント機能評価における超音波の活用

  • 執筆者の写真: 賢一 内田
    賢一 内田
  • 9月19日
  • 読了時間: 2分

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透析患者さんのシャント管理において、血流量や血管構造を正しく評価することは非常に重要です。ここでは、実際のエコー検査で行われる「上腕動脈血流量測定」と「シャント形態評価」の流れをご紹介します。

1. 上腕動脈血流量測定

血流量は、肘から7〜8cm中枢の上腕動脈で測定します。なるべく直線的で石灰化の少ない部位を選ぶことがポイントです。

測定の手順

  1. Bモードで描出血管の中心を通る長軸像を描き、超音波ビームの角度を60°以下に調整します。

  2. パルスドプラで波形取得サンプルボリュームを血管径の70%以上に広げ、きれいな波形を描出します。

  3. オートトレース機能を使用1心拍分を自動トレースし、時間平均血流速度(TAV: time averaged flow velocity)を算出します。

  4. 血管径の測定正確な直径を測定し、断面積を計算します。

  5. 血流量の算出下記の式で計算します:

    血流量(mL/分)=TAV(cm/秒)×断面積(cm2)×60(秒)血流量(mL/分) = TAV(cm/秒) × 断面積(cm²) × 60(秒)血流量(mL/分)=TAV(cm/秒)×断面積(cm2)×60(秒)

※TAVを用いることで、過大評価のリスクを抑えられます。ただし、オートトレース機能が必須です。

2. 血管抵抗指数(RI)

RI(Resistance Index)はパルスドプラ法で簡便に算出可能です。血流量測定時に自動的に表示されるため、合わせて評価することができます。

3. シャント形態評価

シャントの機能を確認するには、血流量だけでなく構造的な評価も欠かせません。

基本の流れ

  1. 短軸走査で動脈を確認上腕動脈から末梢へ走査し、吻合部を描出。石灰化や狭窄の有無をチェック。

  2. 静脈の走査末梢から中枢に向けてプローブを移動し、シャント静脈の分岐・合流を確認。

  3. 吻合部の描出動脈と静脈の位置関係を意識し、角度を調整することで描出可能。

  4. 狭窄の評価短軸走査で血管径の急な変化を確認し、長軸像で狭窄長を測定。必要に応じて内膜肥厚や弁肥厚などの所見も観察します。

まとめ

  • 血流量はTAV×断面積×60で算出

  • オートトレース機能は必須

  • RIは血流量測定時に自動取得可能

  • 形態評価では、吻合部・分岐・狭窄を短軸・長軸で丁寧に確認

シャント評価は、透析患者さんの生命線を守るうえで欠かせないプロセスです。エコーを活用することで、非侵襲的かつ正確に評価することが可能になります。

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