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癌でない慢性疼痛の治療としてのオピオイド貼付剤~痛みに対する適切な管理方法

私自身脳外科医として働いていた頃の主要な対象は血管障害でした。いわゆるくも膜下出血、脳内出血、脳梗塞などと呼ばれる脳の血管の病気です。そして、もう一つのサブスペシャルとして脊椎外科の手術も行っており、一応脊椎外科の技術認定医でもあります。ただし、超高齢者においては手術という選択が難しい場合もあり、特に悩まされていたのは成人脊柱変形(いわゆる側弯症です)の患者さんでした。癌患者さんにおける疼痛管理はオピオイド(いわゆる麻薬です)の使用可能にて、ある程度の対応は可能であり、悩むということはありません。しかし、腰痛・下肢痛などにあらゆる投薬を行っても非麻薬性の鎮痛剤では効果なく、どんどんと薬が増えていく現状があります。

実際、足が痛くてほぼ終日ベッド上という患者さんの在宅診療の依頼が来て、デュロテップと呼ばれる麻薬性の貼付剤にて劇的に疼痛がコントロールされ大変感謝されました。

殆ど歩いている姿を見たことが無い患者さんが痛みから解放され毎日家の中を200歩以上歩いてます。暖かくなったら、外へ散歩に行きたいという言葉を聞くと、こうした投薬も常に検討すべきと改めて思わされました。

もちろん麻薬ですから依存性、呼吸抑制など慎重な管理説明が必要なので、できれば訪問薬剤指導が介入されて、家族がしっかりと理解管理できる環境が必要と考えております。

痛みは生命予後とは、関係なく痛くないに人にとって軽視されがちです。しかし、当事者にとっては本当に辛い症状であり、こうした症状へもきめ細かく対応していかなければと考えております。

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