慢性的な咳に新たな選択肢 ― リフヌア錠(ゲーファピキサント)とは?
- 賢一 内田
- 5月27日
- 読了時間: 3分

長引く咳が続いて困っている方にとって、新しい治療薬「**リフヌア錠(一般名:ゲーファピキサント)」**が注目されています。従来の治療でなかなか改善しなかった“原因不明の慢性咳”にも効果が期待できる薬剤として、2022年に日本で承認されました。
■ どんな薬? ― リフヌアの特徴
リフヌアは「P2X3受容体拮抗薬」という新しいタイプの咳治療薬です。従来の咳止めとは異なり、神経の過敏性に働きかけて咳反射を抑えるのが特徴です。特に、咳の原因がはっきりしない、あるいは治療に反応しない「慢性咳嗽(8週間以上続く咳)」に使われます。
■ どう効くのか? ― 作用の仕組み
咳は、のどや気道にある「感覚神経」が刺激されることで起こります。この神経に存在する「P2X3受容体」が活性化すると、咳反射が起こりやすくなります。
ゲーファピキサントはこのP2X3受容体の働きをブロックすることで、咳の過敏性を抑える作用があります。
■ 効果は? ― 他の薬で効かなかった咳に
リフヌアは、抗ヒスタミン薬や胃薬(PPI)、吸入薬などで効果が不十分だった咳に対して使用され、臨床試験では咳のスコア(LCQ)改善が確認されています。数週間の内服で症状の緩和がみられることが多いですが、効果の感じ方には個人差もあります。
■ 副作用は? ― 味覚の変化に注意
リフヌアの最も多い副作用は「味覚異常」で、30〜40%の方に報告されています。食べ物の味がわかりにくくなる、違和感があるといった症状です。これは用量が多いほど起こりやすい傾向があります(45mg錠でより多く見られます)。
そのほか、口の渇き、疲れやすさ、頭痛などが報告されていますが、いずれも比較的軽度です。
■ 使用上の注意点
咳の原因が肺炎や結核、肺がんなど重大な病気でないことを確認してから使用します。
妊娠中・授乳中の方は使用を控えるのが一般的です。
他の薬との大きな飲み合わせは現時点で報告されていませんが、念のため医師にご相談ください。
■ 最後に
長引く咳は、日常生活に大きなストレスを与えるだけでなく、周囲との関係にも影響を及ぼすことがあります。リフヌアは、そうした**“治りにくい咳”に対する新たな治療選択肢**として登場しました。
「何ヶ月も咳が続いている」「検査では異常がないのに咳だけ残る」…そんな方は、一度
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