在宅酸素療法を科学する40~
- 6月14日
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在宅酸素療法の保険適用以前
HOTが保険適用となる以前、慢性呼吸不全患者が感染症や心不全などの急性増悪で入院し、低酸素血症がある場合、酸素療法が行われ安静が指示されていた。軽快退院したものの、自宅ではほぼ寝たきりに近い状態であったり、数カ月経過すると心不全や呼吸不全で再入院するなど入退院を繰り返したり、長期入院を余儀なくされる方もいた。


① HOT患者の居宅での問題点(1993〜1995年・刀根山病院と帝人の共同研究)

看護師による月1回程度の定期訪問により、以下の効果が確認された。

1992年の老人保健法改正で老人訪問看護ステーションが、1994年の健康保険法改正で「訪問看護制度」が創設された。当初は高齢者や脳血管障害後遺症への対応が中心で、HOT患者への訪問看護受け入れは少なかった。しかし研究結果が広まるにつれ、多くの地域で慢性呼吸不全患者の管理・ケアに関する研究会が行われるようになり、現在はHOT患者への訪問看護は多くの訪問看護ステーションで受け入れ可能である。
③ 呼吸リハビリテーションの変遷
呼吸リハビリテーションは、当初は呼吸法や排痰法が中心であったが、2000年代に入り、運動療法を主体とする生活の質(QOL)の向上をめざした呼吸リハビリテーションの導入により、呼吸法や息苦しさを少なくする動き方、ADL維持のための運動療法などが指導されるようになった。


1995年4月、在宅療養を現実化させるための退院準備チームが結成された。チームメンバーは医師・病棟看護師・理学療法士(PT)・作業療法士(OT)・訪問看護師・福祉公社(ヘルパー派遣)・市職員(障害担当)

ADL | 状況(酸素吸入下) |
歩行 | 平地100m(かなりスローペースで) |
階段 | ゆっくり、2〜3段なら可能 |
外出 | 公共交通機関の利用は困難。タクシーなどの利用がベスト |
食事・整容・更衣 | スローペースで自立 |
入浴 | 日により変動あり。スローペース見守りで看護師による介助がベスト(SpO₂: 96〜90%) |
炊事(調理) | 1品程度なら可能。椅子に座り、休憩しながら行う(SpO₂: 98〜90%) |
炊事後片付け | 食後十分休憩した後であれば可能 |
掃除機による掃除 | 広いスペースであれば可能 |
洗濯物(小物) | 洗濯機利用し、スローペースで可能 |
ゴミ出し・買い物・浴室掃除・大物洗濯・布団干し | 不可能 |
退院後の支援と結果
訪問看護師3回/週(月・水・金)、ヘルパー3回/週(火・木・土)の体制で、1995年7月末に退院。退院直後は緊急電話が頻繁にあったが、2週間以降は電話のみの対応、1カ月以降は定期訪問での対応となった。





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