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在宅診療における高齢者の下痢について

下痢症状を認めた場合の生活指導として、水分を積極的に摂ることを指示します。水分を摂るとますます下痢をすると考え、水分摂取を控える方がいます。しかし、下痢によって体から水分が失われますから、むしろいつもより水分は多く摂らなければなりません。水分以外にミネラル分も失われるため、飲む点滴といわれているOS-1がよいのですが、あまり美味しくないのでリンゴジュースやスポーツドリンクなどでも問題ありません。そして胃薬を内服していないかどうか確認することが必要です。PPIの副作用に下痢があるので、疑わしい場合はPPIを中止します。

下痢は、有害物質を体外に出す防衛反応という解釈もできるため、無理に止めることはいいことではありません。特に急性下痢症の場合、止痢薬(下痢止め)はできるだけ使わないほうが良いです。処方するとしたら、整腸剤や漢方薬にします。西洋医学では整腸剤や止痢薬を処方するくらいしかできませんが、東洋医学では対応できます。整腸剤は続けながら、漢方薬を処方することにしました。

処方としては、真武湯合人参湯(真武湯 7.5g 分3 毎食前、人参湯 7.5g 分3 毎食前)

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