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在宅医療における褥瘡管理を科学する33~

  • 7月21日
  • 読了時間: 4分
#栄養補給#経腸栄養#中心静脈栄養#PEG・胃瘻#バクテリアルトランスロケーション#JSPEN#在宅医療#訪問看護#さくら在宅クリニック
#栄養補給#経腸栄養#中心静脈栄養#PEG・胃瘻#バクテリアルトランスロケーション#JSPEN#在宅医療#訪問看護#さくら在宅クリニック

① 栄養補給の優先順位

② PEG(胃瘻)と「消化管を使う」原則
② PEG(胃瘻)と「消化管を使う」原則
また、経口摂取は生命力の活性化につながるため、自力で食べようとする人には褥瘡の発生が少ないといわれています。口から食べることは人が生きる目的の1つであり、経口摂取ができるように関わっていくことが必要となります。
また、経口摂取は生命力の活性化につながるため、自力で食べようとする人には褥瘡の発生が少ないといわれています。口から食べることは人が生きる目的の1つであり、経口摂取ができるように関わっていくことが必要となります。
③ JSPEN 褥瘡についてのガイドライン
③ JSPEN 褥瘡についてのガイドライン

日本静脈経腸栄養学会(現・日本臨床栄養代謝学会)による、褥瘡についてのガイドラインは次のとおりです。

日本静脈経腸栄養学会(JSPEN) 褥瘡についてのガイドライン

1

低栄養は褥瘡発生の重要なリスクファクターであり、褥瘡を予防するためには適切な栄養療法を行うA-Ⅱ

2

褥瘡患者は栄養学的リスクを有している。褥瘡の観察を含めた栄養アセスメントを実施し、必要な症例に対して栄養管理計画をつくるA-Ⅰ

3

褥瘡患者の安静時エネルギー消費量はしばしば亢進しているので、褥瘡の治療ではこれに見合ったエネルギーと蛋白質量を投与するA-Ⅱ

4

褥瘡治癒過程に関わる栄養素(亜鉛、ビタミンA、ビタミンC、ビタミンE、アルギニンなど)の欠乏状態に陥らないように注意するA-Ⅲ

④ 栄養管理の選択フローチャート

実際の選択は、「消化管は安全に使用できるか?」という問いから始まり、次に投与期間で分岐します。

覚え方
覚え方

経腸栄養は4週、静脈栄養は2週が分岐点。長期になるほど、経鼻胃管より胃瘻・腸瘻、末梢静脈より中心静脈へと移行します。

⑤ TPNとENの問題点

TPNの問題点


中心静脈栄養

  1. TPNに伴う胆汁うっ帯、脂肪肝、胆石症

  2. カテーテル敗血症

  3. 腸絨毛の萎縮

  4. バクテリアル・トランスロケーション

  5. 代謝合併症

  6. コストが高い

ENの問題点


経腸栄養

  1. 悪心・嘔吐・腹部膨満・腹痛・下痢


    これらの副作用は、投与栄養剤の投与速度・温度・濃度・浸透圧・組成が原因となることが多い。

  2. その他、栄養剤のコンタミネーションによる汚染が感染性腸炎の原因となりうる。

ENの副作用の多くは投与方法の調整で改善できる点が、TPNの合併症との大きな違いです。下痢が出たからすぐに経腸栄養を中止するのではなく、まず速度・温度・濃度を見直すのが基本になります。

⑥ バクテリアル・トランスロケーション

消化管を使わないことが、なぜ危険なのか。その答えがバクテリアル・トランスロケーションです。

小腸の粘膜には多数のヒダがあり、その上を無数の絨毛がおおっています。さらに小腸粘膜には「リンパ小節」が多くあり、腸は消化吸収の場であると同時に、免疫の最前線でもあります。使わなければ絨毛は萎縮し、この防御ラインが崩れてしまうのです。
小腸の粘膜には多数のヒダがあり、その上を無数の絨毛がおおっています。さらに小腸粘膜には「リンパ小節」が多くあり、腸は消化吸収の場であると同時に、免疫の最前線でもあります。使わなければ絨毛は萎縮し、この防御ラインが崩れてしまうのです。

在宅診療の視点から

在宅でのルート選択は、医学的優先順位だけでは決まりません。誰が・どの時間帯に・何分かけて実施できるか——介護力の現実が判断を左右します。ただし「介護が大変だから中心静脈栄養」という選択には、感染や肝機能障害のリスクが伴うことを共有しておく必要があります。一方で、経口摂取をあきらめないことは、褥瘡予防だけでなくご本人の生きる意欲にも直結します。少量でも口から味わう時間を残せないか——ルートを決める前に、チームで一度は検討したい問いです。

  • 栄養補給の優先順位は、①経口摂取 ②経腸栄養 ③中心静脈栄養。中心静脈栄養は経腸栄養が不可能な場合のみ選択します

  • 栄養管理の原則はできる限り消化管を使うこと。意味のない絶食期間をつくらないことがバクテリアル・トランスロケーションの予防になります

  • 自力で食べようとする人には褥瘡の発生が少ないといわれ、経口摂取を支える関わりが重要です

  • JSPENガイドラインでは、低栄養が褥瘡の重要なリスクファクターであること、亢進した消費量に見合うエネルギー・蛋白質の投与、亜鉛・ビタミン類・アルギニンの欠乏回避が示されています

  • 選択は「消化管は安全に使用できるか?」から分岐し、経腸栄養は4週、静脈栄養は2週が投与ルートの分かれ目です

  • TPNは感染・肝胆道系合併症・コストが問題となり、ENの副作用は投与速度・温度・濃度などの調整で改善できることが多くあります

本記事は医療・介護職向けの一般的な情報提供を目的としたものです。栄養投与ルートの選択は、病態・予後・ご本人とご家族の意向により個別に判断されるべきものです。個々の症例については主治医・管理栄養士にご相談ください。


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