在宅医療における褥瘡管理を科学する3~
- 6月20日
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1褥瘡とは(定義)
医師より身体に加わった外力は、骨と皮膚表層の間にある軟部組織の血流を低下、あるいは停止させます。この状態が一定時間持続すると、組織は不可逆的な阻血性障害に陥り、褥瘡となります(日本褥瘡学会、2005年)。
骨の突出した部位が床面や車椅子などに当たったままになることで、表面の皮膚が破れてしまい、皮膚びらんや潰瘍が起こります。これが褥瘡の本質的なイメージです。
⏱ 一定時間の持続とは
骨の突出状態や周囲皮膚の状況、患者さんの病態により異なります。健康な人で短時間に高い圧がかかっても皮膚潰瘍は起きませんが、70mmHgの圧で2時間以上持続圧迫すると組織の損傷が起こります。
🛡 皮膚にかかる外力と予防法
皮膚には応力(圧迫・せん断・摩擦)とずれ力がかかります。褥瘡は予防が大切で、圧迫を避ける・摩擦やずれを防ぐ・湿潤を防ぐ・栄養を摂る・清潔を保つ、の5点が基本です。
2褥瘡発生のメカニズム
医師より人間の身体は長時間同じ姿勢でいると局部的に大きな力が集中し、解放されない状態が続いてしまいます。
骨の突出部位では筋肉や脂肪組織などの緩衝物が少ないため、皮膚と皮下組織が圧迫されて褥瘡が発生しやすくなります。また、皮下組織が薄いほど血流量は低下し、阻血性の障害に陥りやすくなります。
皮膚のバリア機能は物理的バリア(角質層)、化学的バリア(抗菌ペプチド)、免疫的バリア(樹状細胞)の3つで構成されており、これらのバランスが保たれていれば局所的因子による影響は避けられます。



3褥瘡発生の要因
医師より褥瘡発生の原因には、圧迫と圧力が持続する時間、摩擦とずれ力、湿潤、栄養の低下、加齢、ストレスなどがあります。
現在は、ずれ・摩擦だけでは褥瘡は発生せず、応力(圧迫・せん断・摩擦)と時間が要因になっていることがわかっています。また生活者としての視点から、社会的要因(ケアのマンパワー不足、経済力不足、情報不足)を忘れてはなりません。
▼ 褥瘡発生に関わる3つの要因


褥瘡の代表的な分類には、創の色による分類、瘡の深さによるNPUAPの分類、褥瘡経過評価用のDESIGN、DESIGNに予測妥当性を持たせたDESIGN-Rがあります。
① 創の色による分類
黒色期 | 黄色期 | 赤色期 | 白色期 |
表皮・真皮が壊死に陥り、黒く乾燥した黒色壊死組織が層を覆っている。多くは深部組織も壊死しており、周囲には急性炎症反応を認める。 | 黒色壊死組織が除かれると、黄土色の深部壊死組織や不良肉芽が露出する。滲出液が多く、感染症を合併しやすい。 | 壊死組織が除かれると、創面から鮮紅色で細顆粒状の肉芽組織が盛り上がる。周囲の炎症反応は消退する。 | 肉芽組織が収縮を始め、創は急速に縮小。表皮細胞が肉芽組織上に遊走し、新たな上皮を形成する(白色調が強い)。 |
② 深さによるNPUAP分類(4段階)
ステージⅠ
圧迫を除いても消退しない発赤・紅斑。ダメージは真皮まで。皮膚組織の再生・防御機能は保たれる。
ステージⅡ
真皮までにとどまる皮膚障害。びらん、水疱、浅い潰瘍。
ステージⅢ
皮下脂肪にまで及ぶ褥瘡。ダメージは皮膚全体に及び、再生・防御機能を失う。
ステージⅣ
筋肉、腱、関節包、骨にまで及ぶ褥瘡。「圧力」に加え様々な外力(ずれ・摩擦)が加わりやすくなる。


褥瘡発生には、①病的骨突出・関節拘縮等によって発生する外力、②自立動作低下・活動性・可動性の低下・知覚・認知障害による回避能力低下、③局所的要因・全身的要因による組織の耐久性低下、という3点が大きく関与します。
骨の突出した部位が床面や車椅子などに当たったままになり、表面の皮膚が破綻するのが直接的な原因です。仰臥位・側臥位・腹臥位・座位それぞれで、骨による圧迫を受ける部位での好発が考えられます。
▼ 体位別の好発部位

後頭部
肩甲骨部
肘頭部
脊髄部
仙骨部
尾骨部
坐骨結節部
腸骨部
大転子部
膝関節部
外踝部
踵骨部

ベッドの上体を挙上する際、ずれ対策を行わないと仙骨部・尾骨部などに強いずれ力が加わります。背抜き(背中とベッドの接触をいったん解除する)などの対策が重要です。
*ギャッチアップ:ベッドの背部や脚部の調整をすること。
6褥瘡の危険因子と予防的ケア
医師よりADLの低下は褥瘡発生の要因となります。可動性、活動性、知覚の認知機能の低下がある人、ベッドに寝たきりの人、車椅子の人、自力で体位変換できない人には、圧迫の危険因子が発生します。
▼ 外的要因・内的要因
外的要因(湿潤・摩擦・ずれ)、内的要因(栄養、年齢、血圧、仮説要因)により組織の耐久性が低下した人は、褥瘡発生のリスクが高まるため、リスクアセスメントを行い、予防的ケア介入が必要となります。








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