在宅医療における褥瘡管理を科学する1~在宅での褥瘡予防・管理の基本
- 6月17日
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優先すべき予防の基本は、生活支援を合目的的に行うことである
褥瘡ケアにおいては、エキスパートの勘や経験だけでなく、エビデンスに基づいた処置を行う
褥瘡管理では、圧迫・ずれの除去、皮膚の保護、栄養管理など、看護・介護技術を重視する
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褥瘡予防・管理の基本
褥瘡予防の基本は生活支援を合目的的に行うことである
褥瘡予防のケアは、外力の除去、食事への援助、そしてスキンケアという普段の生活支援を合目的的に行うことである。
● 褥瘡予防・管理の基本

褥瘡の治療は、一般的な創傷管理の原則に従えばよい
創傷管理の原則は以下のとおりである。特に、褥瘡が他の創傷管理よりも時間と技術が必要となるのは、壊死組織の除去とポケットの治療である。

1)褥瘡予防
必ずケアプランに褥瘡予防を入れ込む
ケアプランには積極的に褥瘡予防を組み込むことが必要。「要介護3、または日常生活自立度ランクB以上」の人にも褥瘡発生がみられることから、臥位ばかりでなく座位時の発生にも注意する。適切な体圧分散用具を選択する。ケアマネジャーは家族から皮膚の状態の聞き取りを行う。
褥瘡の予防には、看護者が積極的に主体となって取り組むことが必要である。
● 褥瘡予防手順
要介護3、または日常生活自立度ランクB以上
↓
皮膚観察(発赤の有無)
↓
褥瘡発生の予測(スケール使用)
↓
危険性大
↓
各項目別のケア計画の立案
・圧迫・ずれの除去
・栄養管理
・スキンケア
↓
在宅療養者・家族とヘルパーの指導
危険性小
↓
定期的(月1回など)
皮膚観察・発生予知
↓
発赤出現
↓
記録
↓
評価
勘や経験に頼らず、ケアには根拠をもつ
熟練した看護者の判断や技術は卓越しているが、それらを後輩に伝えていくためには、その"根拠"を明確に示すことが必要。リスクアセスメントスケールや簡易体圧計(携帯型接触圧力測定器)の使用によって、エビデンスを示す。

在宅では、ケアマネジメントを行うケアマネジャー、皮膚を観察する頻度が最も高い家族やヘルパーが褥瘡の前兆を発見することが多い。皮膚の観察方法を家族やヘルパーに指導することが、褥瘡予防と悪化防止につながる。
2)褥瘡管理
発生後こそ、看護・介護の技術を優先
いったん褥瘡が発生してしまうと、つい創部の処置に意識が集中してしまいがちである。しかし、創は局所の環境が整ってこそ治癒するものである。そのため、圧迫・ずれの除去、皮膚の保護、栄養管理などの看護や介護の技術のほうが、優先することを認識する。
褥瘡の創面は湿潤環境を保ち、創周囲の皮膚は清潔に保つ
創周囲皮膚は洗浄剤で洗い、創面を清潔にする。基本的には創面は乾燥させることなく、適度な湿潤環境を保つ。


● 褥瘡ケア手順
褥瘡発生
↓
医師・ケアマネジャーに報告
↓
原因の追及
疾患との関係、自力体位変換能力の低下
失禁・多汗の始まり、栄養摂取量の低下
↓
訪問看護師による創部アセスメントの開始
↓
d1 以上
皮膚観察続行
d2 以上
治療開始
↓
栄養士・理学療法士の調整
↓
在宅療養者・家族とヘルパーへの指導
↓
記録
↓
評価
↓
d1
↓
治癒
↓
悪化
↓
d2以上のケア手順に変更
d2以上
↓
治癒
↓
悪化
↓
ケア方法・治療の再検討
*d1、d2はDESIGN-R®の深さの分類を示す
3)資源の活用
ケア用具の積極的導入
エアマットレスや創傷被覆材など、ケア用具に不足があると、十分なケアが行えず、看護者の褥瘡に対する姿勢が消極的になってしまう場合がある。使用効果が実証された用具を使用することによって、褥瘡を予防することも可能となる。

創傷を有する在宅療養者を看護する専門職が皮膚・排泄ケア認定看護師である。用具の選択やスキンケアなど、豊富な知識と熟練した技術を有するため、近隣の病院にいれば積極的にコンサルトしてみるとよい。
地域での在宅療養者・家族への支援
在宅には、現在は動けているが将来的に寝たきりになる可能性のある在宅療養者がいる。予後を考えて家族に褥瘡予防を少しずつ指導していくことで、今後の褥瘡発生率を下げることも可能となる。栄養士や理学療法士、ソーシャルワーカーの協力を得るなど、在宅療養者・家族が最も満足できるように、ケアを調整していくことが重要である。
3
管理の評価(有病率・推定発生率)
在宅においても、褥瘡有病率・褥瘡推定発生率を用いて評価を行う必要がある。有病率・発生率の算出は、日本褥瘡学会が示す以下の計算式によって行う。

有病率:ある時点で訪問看護を利用している人のうち、褥瘡を保有している割合(病院以前から持ち込まれたものも含む)
推定発生率:在宅で新たに褥瘡が発生した人の割合(在宅ケアの質を反映する指標)
いずれも訪問看護ステーション単位でのケアの質評価に活用できる
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