創傷ケア(スキン テア、褥瘡、下肢潰瘍)を科学する22~皮膚を守る!スキンケアと失禁対策の基本
- 賢一 内田
- 7月2日
- 読了時間: 3分

褥瘡(じょくそう)や皮膚トラブルを予防するうえで大切なのは、「皮膚のバリア機能」を保つことです。今回は、皮膚被膜剤の役割と失禁時のケアについて分かりやすくご紹介します。
◆ 皮膚被膜剤で“守る”ケアを
創部(傷)やその周囲の皮膚は、摩擦や滲出液によってダメージを受けやすくなっています。そこで活躍するのが「皮膚被膜剤」です。
皮膚被膜剤は、角質層の表面に呼吸を妨げない“薄いベール”を作り、物理的刺激から皮膚を守ります。撥水作用があるため、滲出液や排泄物による“ふやけ(浸軟)”の予防にも有効です。
また、速乾性の被膜剤を使えば、その上からドレッシング材やテープを貼ることができ、テープを剥がすときの刺激も軽減できます。さらに、「低刺激テープ」や「スキンケア対応フィルム材」の使用も、角質の損傷を防ぐ大切な工夫です。
◆ 殿部(おしりまわり)は特に要注意!
特に殿部の褥瘡は、排泄物の影響を受けやすい部位。創部が便や尿にさらされないよう、皮膚の清潔保持と保護ケアが重要です。
◆ 尿失禁へのスキンケア対策


適切なおむつ・パッドの選択 吸収力の高い高分子ポリマー入りのものを選び、こまめに交換することが基本です。
“重ね使い”はNG! 交換回数を減らそうとおむつを何枚も重ねると、かえって尿漏れの原因になったり、厚みで骨突出部の圧が高まり、褥瘡リスクを高めます。
👉 基本は2枚使い 例:テープタイプのおむつ+パッドタイプ
夜間や交換が難しいときには 大容量の吸収パッドの活用が効果的です。
尿の誘導に「クリーンコットン」 例えば「ニュースキンクリーンコットン」(ベーテル・プラス)などの失禁用ポリエステル繊維綿を陰部に添えることで、尿がスムーズにおむつへ吸収され、皮膚の湿潤を防ぐサポートになります。

まとめ
皮膚を守るケアの基本は、刺激から守り、湿気をためないこと。被膜剤や適切なおむつ選び、ちょっとした工夫で、大切な皮膚を守ることができます。
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