日本の高度成長期にスーパーマーケットという概念を普及させたダイエーの創業者・中内功氏。彼の人生観には、戦時中の過酷な体験が深く影響を与えています。
戦地では補給が絶たれ、銃弾ではなく飢えや病で仲間が次々と倒れていくなか、中内氏が生き抜く原動力となったのは「日本に帰り、すき焼きを食べたい」という強い願いでした。彼にとって「食べる」という行為は、単なる栄養補給ではなく、生きる希望そのものだったのです。
この視点は、在宅医療においても非常に重要です。人は老いや病気の進行とともに、少しずつ食べることが難しくなります。その時、どのように向き合い、どのような選択をするべきなのでしょうか。
食べることが難しくなったときの意思決定
まだ食べられる段階の患者さんは、以下の点を事前に考えておくことが大切です。
亡くなるとき、食べられなくなったとき、どうしたいか
最後まで口から食べたいか
苦痛が少ない方が良いか、それとも多少の負担があっても生命を長く維持したいか
また、すでに人工栄養(経管栄養や点滴など)を行っている患者さんの場合は、
現在の状態を維持することが、本人にとって良い状態なのか
身体が水分や栄養を適切に処理できているか
これらの点について、ご家族や医療者と話し合っておくことが、患者さんの意志を尊重した最期の時間につながります。
次回は、これらのテーマをさらに深掘りしていきます。
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