ヒルドイドソフト(ヘパリン類似物質軟膏)は保湿剤としてよく処方されています。
また、美容目的に処方を希望する人が急増したことにより、必要な人に届かなくなるなど、社会問題にもなりました。
そもそも、ヒルドイドソフトは保湿剤なのか?について、夏井先生のサイトには2011年に記載がありました。まとめてみます。
・ヒルドイドソフトの成分はヘパリン類似物質₁,グリセリン,流動パラフィン,白色ワセリン,サラシミツロウ,グリセリン脂肪酸エステル₂。
・ヘパリン類似物質₁は親水基を多く含む水溶性物質であり,水分子と結合するため「保湿能力が高い」と言われている。しかし、「水分子と結合する能力」と「水分子を与える能力」は全く別物。
・グリセリン脂肪酸エステル₂は合成界面活性剤であり、これが皮脂を融解させる。
以上よりヒルドイドソフトによって皮膚は乾燥すると結論づけています。ヒルドイドソフトを肌に塗ることは、台所用洗剤を肌に塗るのと化学的には同じだとしています。
一方、ヒルドイドソフトの添付文書では、国内総計119例を対象とした臨床試験における皮脂欠乏症の改善率は95%と書かれています。
また、ヒルドイドソフトの販売元のマルホ社のサイトでは、ヒルドイドFAQというQ&Aを載せています。その中で、「ヒルドイドソフト軟膏やヒルドイドローションには乳化剤(界面活性剤)が入っていますか。皮膚を乾燥させるのですか。」との問いに対し、「乳化剤(界面活性剤)を配合しています。モルモットの実験から、ヒルドイドは皮膚バリア機能を低下させることはなく、角層水分量を上昇させる傾向を示した。すべての界面活性剤が皮膚を乾燥させるわけではない」と回答しています。
化学的には乾燥剤であるはずのヒルドイドソフトが、臨床試験や実験では、保湿効果をしめすということがあり得るのでしょうか?
夏井先生は著書『患者よ、医者から逃げろ 光文社新書』の中で以下のように記載しています。
「ヒルドイドソフトを塗った状態の肌は、いわばドーピングと同じである。ヒルドイドソフトを洗い落とした状態の肌で調べなければならない。」
写真は逗子在住山内明徳様撮影
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