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パーキンソン病を科学する19②~ドパ製剤の効きが「短くなる」理由とは?

  • 執筆者の写真: 賢一 内田
    賢一 内田
  • 6月10日
  • 読了時間: 2分

〜吸収は同じでも、治療はどんどん難しくなる〜

パーキンソン病の治療において欠かせない**ドーパミン製剤(L-ドパ)**ですが、病状が進行するにつれて「薬の効きがすぐ切れてしまう」といった現象が目立つようになります。

その代表が「ウェアリング・オフ現象」です。

🧪 吸収は変わらない。でも効かなくなる?

実は、ドパミン製剤の吸収そのもの(腸からの取り込み)は進行期になっても比較的安定しています。

しかし、下図のように病気が進むにつれて**“治療効果が発揮される範囲(治療域)”が狭くなっていく**ため、同じ薬量でも効く時間が短くなってしまうのです。

📉 血中濃度の波の中で、オン・オフの揺らぎが大きくなる



このグラフは、服用後のL-ドパ血中濃度の変化を示しています。初期は「オン状態(動ける時間)」が広く安定していても、進行期になると少しの濃度変化で**「オフ状態(動けない時間)」や「ジスキネジア(不随意運動)」が発生しやすくなる**のです。

🧩 ウェアリング・オフとは

  • 朝に飲んだ薬が昼前には効かなくなる

  • 次の服薬まで動作が鈍くなったり、固まってしまう

このような症状を繰り返す状態が「ウェアリング・オフ現象」です。治療域が狭くなることで、薬の“効きムラ”が強くなるのが原因です。

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