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パーキンソン病を科学する14①~💊ドパミン製剤の“やっかいな性質”とは?

  • 執筆者の写真: 賢一 内田
    賢一 内田
  • 6月2日
  • 読了時間: 2分

パーキンソン病治療において、**L-ドパ(レボドパ)**は非常に重要な薬剤です。しかしながら、**使いこなすには「癖の強い薬」**でもあります。

🚧 ドパミン製剤の吸収には「大きなハードル」がある

L-ドパは**「空腸(小腸の一部)」でしか吸収されない**という特徴があります。つまり、口から飲んでから吸収されるまでの道のりが非常に長く、複雑なのです。

これにより生じる問題は以下の通り:

  • 体内への到達率(バイオアベイラビリティ)が低い

  • 半減期(効果が持続する時間)が短い

  • 脳内移行に時間と個人差がある

これらは、「薬を飲んだのに効きにくい」「効果のムラが大きい」というパーキンソン病患者さん特有の悩みに直結します。

🦠ピロリ菌が吸収の妨げになることも?

さらに注目されているのが、ヘリコバクター・ピロリ(ピロリ菌)感染との関連です。

実は、ピロリ菌に感染していると、L-ドパの吸収効率が下がるという報告があります。除菌により効果が改善する例もあるため、見落としがちな要因のひとつです。

次回は「到達率」や「血中濃度変動」について詳しく解説!

ドパミン製剤がなぜ「効いたり効かなかったりする」のか。その理由には薬剤動態の側面が大きく関係しています。

次回のブログでは、L-ドパのオン・オフ現象ウェアリングオフに関連するポイントを詳しく解説します。

🎥 YouTubeでやさしく深く学べます!

👉 内田賢一の在宅医療チャンネル – YouTube現場の経験を活かし、神経難病や終末期医療についてわかりやすく解説しています。医療者・介護者・ご家族の皆さま、ぜひご覧ください。

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