ハイドロリリースを科学する25~【筋膜内の“気泡”が語るもの】炎症・循環障害との関係を考える
- 賢一 内田
- 3月27日
- 読了時間: 2分

内視鏡を用いて、炎症を伴った筋膜組織を観察すると、時折その内部に**「エアー(組織内気泡)」**が確認されることがあります。
■ この“気泡”は何を意味しているのか?
現時点では、これが筋膜の肥厚を引き起こす原因なのか、それとも結果なのかははっきりしていません。しかしながら、この現象は非常に示唆的であると、私は感じています。
■ 組織内気泡 → ガス交換障害? → 循環障害?
私見としては、以下のような仮説が立てられるのではないかと考えています:
組織内気泡の存在≒ 局所的なガス交換の障害≒ 微細な循環障害
これは例えるなら、炎症で肥厚した筋膜は「海で溺れている」状態に近いとも言えるのではないでしょうか。
■ 筋膜内の血管構造から見えるヒント
私自身の観察では、側頭筋膜や多裂筋筋膜において明確に静脈は確認できますが、動脈は視認できません(※筋層を展開すれば多数の動脈が存在することはもちろんです)。
この構造は、軟骨と同様に血流供給が制限される組織環境に似ており、もし筋膜で循環が滞るとすれば、その影響は極めて大きいのではないかと推測されます。
■ 痛みの原因=循環障害の視点
脊柱管狭窄症などでは、神経への機械的圧迫 → 血流障害 → 痛みというメカニズムが知られています。筋膜性疼痛においても、同様の循環障害が関与している可能性があるのではないかと感じています。
■ 皆さまのご意見もぜひお聞かせください
こうした現象は、まだ医学的に明確な定義がなされているわけではありません。だからこそ、臨床の現場からの“気づき”が重要です。
同じようなご経験や、別の視点からの考察などがあれば、ぜひ共有いただければ幸いです。
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