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せん妄診療の「引き算の原則」を学ぶ

  • 執筆者の写真: 賢一 内田
    賢一 内田
  • 5月5日
  • 読了時間: 2分





岡山大学病院 精神科リエゾンチームの実践知に触れて

本書の帯にはこう書かれています。

「日本をリードする岡山大学病院精神科リエゾンチームの診療ノウハウを余すことなく一挙公開!!」

この言葉に期待を膨らませつつ読み始めましたが、期待以上の内容でした。🔍 せん妄を3つの因子で捉える

本書では、せん妄の原因を以下のように分類しています:

  • 直接因子:発症の引き金となる原因

  • 準備因子:せん妄を起こしやすくする素因(高齢、認知症、感染など)

  • 促進因子:せん妄を遷延化させる要因(睡眠障害、環境の変化など)

そのうえで、**「せん妄対策は引き算が基本」**と明言しています。つまり、薬を足す前に、まず「引き金」や「促進要因」を一つずつ取り除いていくことが原則だというわけです。

このアプローチは、せん妄診療の本質を突いていると感じました。

💊 薬物療法にも現実的な提案

もちろん、すべてのせん妄が非薬物的介入で済むわけではありません。本書では薬物の具体的な使い方にも言及されており、トラゾドンやクエチアピンなど、当院でも実際に使用している薬剤が紹介されています。

薬物療法はあくまで“補助的な手段”である一方で、どう選び、どう使うかが丁寧に解説されている点が非常に実用的です。

👵 高齢者医療における「せん妄」との向き合い方

高齢者というだけで、せん妄のリスクは高くなります。超高齢社会を迎える今、せん妄は「特殊な症状」ではなく、医療現場で日常的に遭遇するものとなっています。

その意味で、この本は精神科だけでなく、内科医、訪問医、看護師、介護士、ケアマネージャーなど、あらゆる職種の医療従事者にとって必読だと感じました。

🎥 さらに深めたい方へ:在宅診療を学ぶならYouTubeも!

せん妄やBPSDに関する知識は、在宅医療の現場でも必須です。YouTubeで学んでみたい方はこちらからどうぞ👇🔗 内田賢一 - YouTube

🏷 ハッシュタグ

本書では、せん妄の原因を以下のように分類しています:

 
 
 

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