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ご自宅での輸血、実は可能です

  • 執筆者の写真: 賢一 内田
    賢一 内田
  • 7月2日
  • 読了時間: 2分

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~在宅医療における輸血の流れと安全対策~

がんや血液疾患、慢性疾患の進行により、定期的な輸血を必要とする患者さんは少なくありません。しかし、高齢や体調の問題で「病院に通うのが難しい」という方もいらっしゃいます。

当クリニックでは、こうした患者さんに対し「ご自宅での輸血」を行っています。

在宅での輸血、どうやって行うの?

輸血は「広い意味での臓器移植」とも言われるほど慎重な対応が必要です。特に“異型輸血(血液型の不一致など)”は絶対に避けなければなりません。そのため、医療機関と訪問看護の連携による厳重な確認体制のもとで実施しています。

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【在宅輸血の大まかな流れ】

〈クリニックで行うこと〉

  1. 血液製剤の発注

  2. 輸血用血液の受け取り・管理

  3. 血液の割り付けと交差適合試験(クロスマッチ)

  4. 試験結果の確認・準備物の整理

〈ご自宅で行うこと〉

  1. 医師による最終確認とバイタル測定

  2. 血管確保、輸血開始

  3. 開始後のバイタルチェック(約60分間)

  4. 訪問看護師への引き継ぎ

  5. 輸血終了後の抜針・処置

※血小板輸血時には、アレルギー予防のため抗ヒスタミン薬やステロイドの事前投与も行います。

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輸血の3日前から始まる準備

安全な輸血を行うために、3日前から下記の準備を進めていきます。

日数

内容

輸血3日前

往診で採血(血算・クロスマッチ・不規則抗体)→ 輸血のオーダー、訪問看護とスケジュール調整

輸血2日前

輸血用血液が到着(冷所保存)、クロスマッチ提出

輸血当日

医師と看護師が血液を搬送・照合、輸血実施・バイタル管理、訪看に交代・終了確認

安全対策も万全に

在宅での輸血には「ショックやアレルギー反応への即時対応」が不可欠です。当クリニックでは、必要な薬剤・輸液・酸素・吸引など、緊急対応用の資器材を常時携行しています。

また、腹水や胸水の排液時と同様、確保ルートの選定・消毒・固定法などにも細心の注意を払っています。

次回は、実際の在宅輸血の様子を動画でご紹介する予定です。在宅医療の現場に関心のある方は、ぜひYouTubeチャンネルもご覧ください。

📺 内田賢一 - YouTube👉 さくら在宅チャンネルはこちら

🔖 #在宅診療での輸血 #安全対策 #ショック対応🏠 さくら在宅クリニック公式サイト逗子・葉山・横須賀・鎌倉地域の在宅医療は、当院にお任せください。

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