【在宅医療の現場から】高齢者の骨折予防とビタミンD製剤の注意点
- 賢一 内田
- 4月30日
- 読了時間: 2分

高齢者が寝たきりになる原因のひとつに骨折があります。特に注意が必要なのは、
大腿骨頸部骨折(足の付け根の骨折)
脊椎の圧迫骨折(腰椎など)
です。
これらの骨折、とくに大腿骨頸部骨折は**保存的治療(手術をしない選択肢)**が難しく、多くの場合、手術 → ベッド上安静 → 廃用萎縮(筋力低下) → 寝たきりという流れになってしまいます。在宅医療や高齢者医療において非常によく見られるパターンです。
骨折予防には「活性型ビタミンD製剤」が使われます
骨粗鬆症の予防や骨折リスク低減のため、活性型ビタミンD製剤(エディロール・アルファロール・ロカルトロールなど)の投与がよく行われています。
しかし、ここで注意が必要です。高齢者は腎機能が低下していることが多く、活性型ビタミンD製剤を使用すると、高カルシウム血症を起こしやすくなります。
高カルシウム血症とは?
高カルシウム血症は、以下のような非特異的症状で発症します。
全身倦怠感
食欲低下
便秘
これらの症状だけでは気づきにくいため、疑って採血しなければ見逃してしまうことも。倦怠感や食欲不振が見られる場合は、一時的にビタミンD製剤を中止することも検討すべきです。
また、処方前には必ず腎機能の確認を。処方後も3~6か月ごとに血清カルシウム値をチェックすることが重要です。
覚え方のポイント
高カルシウム血症の症状は「だ・い・じ(脱水・意識障害・腎不全)」と覚えておきましょう!
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